親や配偶者など、年金を受け取っている人が亡くなったとき、悲しみのなかで複雑な手続きに追われることになります。しかし、年金事務所への死亡届の提出が遅れると、あとから年金の「返金」を求められるトラブルに発展することも。一方で、請求の手続きさえすれば、亡くなった月分までの「未支給年金」を家族が受け取れるケースもあります。本記事では、小林労務による著書『これ1冊ですっきりわかる! 年金のしくみともらい方 26-27年版』(ナツメ社)より一部を抜粋・再編集して、年金受給者の死亡後に遺族が行うべき手続きを解説します。
届け出が遅れると年金の“返金トラブル”も…親の死後に急いで提出すべき「年金受給権者死亡届」【社労士が「未支給年金」の受け取り方を解説】
年金受給者が亡くなったら「年金受給権者死亡届(報告書)」を提出
年金を受け取っている人が亡くなったときには、「年金受給権者死亡届(報告書)」を年金事務所に提出し、亡くなったことを届け出ます。
この際に、亡くなった日よりあとに振り込まれる年金(未支給年金)などがあると、これを家族が受け取ることができる場合があります。そのため、未支給年金を請求する手続きも必要となることがあります。また、亡くなったことにより遺族年金を受け取ることができる場合もあるので、遺族年金の手続きも同時に行うことがあります。
年金受給者が亡くなったときに提出する年金受給権者死亡届(報告書)の届出には、亡くなった人の年金証書と亡くなった事実を明らかにする戸籍抄本などの添付が必要です。
年金証書が見つからないなどで添付ができないときは、そのことを記入する欄が年金受給権者死亡届(報告書)にあるので、その旨記入します。年金を受け取ることができるのは、亡くなった月までの分です。
年金受給権者死亡届(報告書)の提出が遅れると、本来受け取ることができない分の年金まで振り込まれ、あとから返金することになります。
亡くなった月分まで受給可能…遺族が請求できる「未支給年金」
未支給年金(みしきゅうねんきん)とは、年金受給者が亡くなったときに、その人が受け取るはずだった年金のことをいいます。
年金は、偶数月の15日に2か月分まとめて支払われます。また、年金受給者が亡くなった場合は、年金は亡くなった月分まで支払われます。そのため、亡くなった日よりもあとに年金が支払われる場合があります。この亡くなった日よりもあとに支払われる年金は、亡くなった本人に代わり、家族が請求して受け取ることができます。
なお、年金を受け取る権利がある人が、年金請求書を提出する前に亡くなった場合も、その人が受け取るはずだった年金が発生するので、この年金も未支給年金として家族が代わりに請求できます。
未支給年金を受け取ることができる家族は、亡くなった人と生計を同じくしていた①配偶者、②子、③父母、④孫、⑤祖父母、⑥兄弟姉妹、⑦その他3親等以内の親族で、①から⑦の順で順位がつけられています。
この①から⑦までの家族がそれぞれに未支給年金を受け取ることができるわけではなく、この中で最も順位が高い人だけが受け取ることができます。

