令和5年度の司法統計によると、家庭裁判所に申し立てられた相続に関する争い件数は13,872件でした。毎日のようにどこかで起きている相続トラブル、またその原因や内容はさまざまであり、「自分には関係ない」「自分は大丈夫」などということは決してありません。では、具体的にどのような相続トラブルが起きているのか、またその状況ではどのように立ち回ればいいのか、とある兄弟の事例をもとに弁護士が解説します。
※画像はイメージです/PIXTA
税務調査?なんでウチに。夫の遺産は〈自宅〉と〈貯金150万円〉だけですが…75歳女性「税務署からの電話」を同居する49歳長男に相談→夜のリビングで発覚した“衝撃の事実”【弁護士が警告】
息子の「使い込み」は取り返せる?
本件でまず注意すべきは、「タンス預金は税務署に把握されないから大丈夫」という考えが極めて危険であるという点です。
現金で保管されていたとしても相続財産である以上、申告義務は免れません。税務署は預金の動きや生活状況などから資産の存在を把握することも多く、結果として修正申告や加算税・延滞税の負担が生じるリスクが高いです。
また、長男による使い込みは法的には不当利得の問題となり、返還請求の対象となり得ます。ただし、本件のように将来的な母からの相続でも最終的な相続人が長男である場合、「親の財産を先に使った」という形で整理され、親子間での解決が図られるケースも考えられます。
もっとも、問題は金銭だけではありません。日常を共にしてきた家族の信頼が損なわれた影響は大きく、今後の生活において精神的な負担となる可能性があります。相続は財産の問題であると同時に、人間関係の問題でもあることを改めて意識すべき事案といえるでしょう。
山村暢彦
弁護士法人山村法律事務所
代表弁護士
【注目のセミナー情報】
【税金対策】4月18日(土)オンライン開催
《高所得者の所得税対策》
「インフラ投資×FIT制度」活用セミナー
【減価償却】4月22日(水)オンライン開催
《法人の決算対策》
「GPUサーバー×中小企業経営強化税制」活用