もし親がケガや認知症などで高齢者向け施設に入居しなければならなくなったとき、施設によっては高額な「入居一時金」がかかる場合もあります。本記事では、子が入居一時金を立て替える際の注意点や、早期退去時の返還金トラブルを防ぐ制度について、FPの丸山幹也氏が監修した『介護マネーのプロが解決! 親の高齢者住まいにかかるお金のギモン 暮らし・資金に合った住まい選びがよくわかる』(メイツユニバーサルコンテンツ)より一部を抜粋・再編集し解説します。
親の老人ホーム入居、「馴染めず即退去」で大損しないために…「入居一時金」の返還トラブルを防ぐ〈90日ルール〉【FPが「短期解約特例」を解説】
入居一時金は「クーリングオフ(短期解約特例)制度」が適用される
有料老人ホームの場合、家賃などを前払いする「入居一時金方式」と月ぎめで支払う「月払い方式」があります。特に入居一時金は数百~数千万円と高額な場合もあり、「施設に馴染めなかったらどうしよう」と不安がよぎる方もいるでしょう。
実際、過去には短期で退去・解約した際の返還金トラブルが多発していました。そこで老人福祉法が一部改正され、「90日以内の契約解除に伴う一時金の返還(クーリングオフ/90日ルール)」(短期解約特例)の制度が2012年4月から施行されました。
この短期解約特例は、入居日から3ヶ月(90日)以内に解約を申し入れた場合や入居者本人が死亡した場合などであれば、無条件で契約解除できる制度です。すでに支払い済みの一時金から入居日数分の家賃とサービス費、居室の原状回復費などを差し引いた金額の返還が法律で定められています。(「月払い方式」は短期解約特例の対象外)
もし、入居一時金を支払って施設へ入居し、合わないと感じて退去を検討するなら、90日以内に決断しましょう。もちろん90日を過ぎても未償却分は返還されますが、90日を1日でも過ぎると一部は返還されないこともありますので注意しましょう。
月の途中で退去・転居…支払った利用料はどうなる?
月の途中で退去や転居をするときには、支払った月額利用料はどうなるのでしょうか。たとえば月の利用料金が20万円だとして、月半ばの15日に退去すれば10万円は戻ってくる、と考えられます。
実際、家賃にあたる部分や食事の実費などは日割り計算になることが多いでしょう。けれど、「厨房維持費」などの固定費は日割りにはなりにくいなど、半分に満たないことも多いようです。
退去の費用については、入居時の契約書や重要事項説明書に書いてあることがほとんどです。しっかり読んで、確認しておきましょう。わからないことは、契約書にサインをする前に確かめておきます。
