警察庁「令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」によると、2025年の1年間に確認されたインターネットバンキングでの不正送金の被害額は103億9,700万円と、過去最悪を更新しました。このうち9割を占めているのが「フィッシングサイト」による被害です。人の「真面目さ」や「不安」につけ込む卑劣な犯罪の実態と、引っかからないための対策をみていきましょう。
税金が未納です。差押えの手続きを開始します…去年の被害額は103億円超で過去最悪、法人もダマされる「ネット詐欺」の実態
ある日突然スマホに届く“恐怖のメッセージ”
税金が未納です。差押えの手続きを開始します――
スマートフォンの画面に届く一通のショートメッセージ(SMS)に、思わずドキッとしたことがある、という人もいるのではないでしょうか。
特に、これまでの会社員生活とは異なる納税の手続きや、定年後の資産運用に関心が高まる50~60代。その「真面目さ」と「不安」につけ込む手口が激化しているようです。
ネット詐欺対策の専門企業、BBSS株式会社が公表した「1月度ネット詐欺リポート」によると、日常に迫る脅威が浮き彫りになりました。
「国税庁」を騙るフィッシングサイト(※)が前月比6倍に爆増
(※)フィッシングサイトとは、実在する企業や団体、サービス等を装って作成された偽のウェブサイト
まず、最も警戒すべきは「国税庁」を装ったフィッシングサイトでしょう。同リポートによると、国税庁を装ったフィッシングサイトは、前月(2025年12月)と比べて6倍以上に増加しているそうです。
具体的には、国税庁を名乗る偽のメールやSMSを送りつけ、「e-Taxの利用期限が切れている」「未払い税金がある」などといった文言で、本物と見紛うばかりの偽サイトに誘導します。そこでログインIDやパスワード、さらにはクレジットカード番号などを入力させ、情報を盗み取ります。
実際、国税庁の公式サイトでも「国税庁、国税局及び税務署では、ショートメッセージやメールにより国税の納付を求めたり、差押えを予告したりする案内を送信することはありません」と注意喚起しています。不審なメールやSMSに記載されたリンクは絶対にクリックせず、必ず公式サイトへ直接アクセスしましょう。
そのほか、社会的な関心が集まるタイミング(選挙、五輪、新制度の開始など)も要注意です。同レポートでは、昨年12月~今年1月にかけて衆院選で首相への注目度が高まる時期に合わせて、首相官邸を装った投資詐欺サイトの出現が確認されているとのことでした。具体的には、首相の映像や発言を悪用し、投資商材の購入を促したり、個人情報を入力させて盗み取ったりする手口が使われているようです。
![[図表]フィッシングサイトで使用されるブランドランキング](https://ggo.ismcdn.jp/mwimgs/6/8/540mw/img_684e7f92b157aa06937afd803f8cd94e49812.png)