中学受験の主役は、言わずもがな試験を受ける子ども自身です。ただ、子どもが試験に臨むためには、親の協力が必要不可欠でしょう。そして見事志望校に合格……しかし、親にとっての“本番”は、合格後に控えているのです。ひとり息子が難関私立中学に合格して浮足立つ40代夫婦の事例をもとに、中学受験の理想と現実をみていきましょう。自身の2人の子を私立中学に通わせた石川亜希子CFPが解説します。
自分の孫を祝えないの!?…12歳長男が「難関私立中学」に合格→大喜びの40代夫婦に水を差す、祖父母の“まっとうなひと言”【CFPが警告】
タケノリさん一家の世帯年収は?
合格後、タケノリさんが最初に支払ったのは入学金25万円でした。そのあと、制服一式やバッグなど指定の学用品を購入し、全部で20万円ほどの支出です。
合格から1ヵ月で約45万円かかりましたが、年間約70万円の授業料はまだこれから……部活動が始まれば、指定品の購入代が追加でかかってくるでしょう。
タケノリさん一家の世帯年収は約800万円(夫:700万円、妻:100万円)、月々の手取りは約48万円です。住宅ローンに10万円、食費(外食費を含む)に10万円など、固定の支出を引いていくと、塾にかかる費用を一部援助してもらったうえで、毎月の貯蓄は3万円程度でした。現在の金融資産は1,000万円ほどです。
これから両親には頼れないとなると、このままでは、タケノリさん夫婦は貯蓄できないどころかボーナスで赤字を補てんするような状況が続くことになります。
現実を直視するにつれ、タケノリさんはだんだん不安になってきました。
中学受験して良かったんだろうか……。
文部科学省「子供の学習費調査」によると、私立中学に通う子どもを持つ親の世帯年収は、1,200万円以上が約42%を占めるものの、600万円~1,000万円未満は約27%と、決してタケノリさんのご家庭だけが悩んでいることではありません。
では、教育費をどのように準備していけばよいのでしょうか?
教育費対策の不安を解消する具体的な対策
教育費への不安を解消するために最も重要なのは「見える化」です。
今後いつ、いくら必要になるのかを整理し、家計の収支と照らし合わせることで、現実的な対策を立てることができます。
支出を減らす、収入を増やすことはもちろんですが、たとえば、国の児童手当。
3歳未満は月15,000円(第3子以降は30,000円)、3歳以上高校生年代までは月10,000円(第3子以降は30,000円)の支給を受けることができます。タケノリさんは東京都在住ですから、018サポートとして、子ども一人当たり月額5,000円の上乗せもあります。
この金額を教育費として積み立てておくだけでも、中学校入学時には約250万円になります。NISAなどを利用するのもよいでしょう。