厚生労働省「人口動態調査」の結果によると、2024年の婚姻件数は48万5,063件、対して離婚件数は18万5,895件でした。1日あたり500組以上の夫婦が離婚している状況です。もっとも、離婚は「愛情が冷めた」「価値観が合わない」というだけで認められるものではありません。とある夫婦の事例をもとに、離婚を検討するうえで知っておきたいハードルをみていきましょう。弁護士が解説します。
通帳を見て、膝から崩れ落ちました…現役時代「お小遣い月5万円」で生活していた60歳男性、専業主婦の58歳妻から告げられた「まさかの一言」で“定年後の夢”潰える【弁護士の助言】
60歳男性が密かに抱いていた「定年後の夢」
定年退職を迎えたトオルさん(仮名/60歳)。地元企業で40年近く勤めあげ、手にした退職金は1,500万円です。
専業主婦の妻・ミユキさん(仮名/58歳)と協力し、二人の子どもは無事に自立して家を出ていました。
「会社員生活が終わったら、全国をバイクで旅したい。それが昔からの夢でした」
若い頃に観た映画がきっかけで、バイク旅に憧れを抱いていたトオルさん。しかし現役時代にそんな時間はありません。また、経済的にも子どもの教育費や住宅ローンで余裕がなく、トオルさんは月5万円のお小遣い制だったそうです。
それでも「いまはしっかり貯金して、定年後に楽しめばいい」と我慢。退職後に貯金と退職金の一部を使って大型バイクを購入し、ゆったり全国を旅する……その夢を考えれば、月5万円のお小遣い生活も苦ではなかったといいます。
しかしその夢は、退職金の入金確認のため通帳を開いた瞬間、一瞬にして崩れ去りました。
「通帳残高を見た瞬間に全身から力が抜けて、思わず膝から崩れ落ちました……退職金を除くと、残高が300万円も残っていなかったんです」
妻があっさりと告げた「まさかの一言」
慌てて妻に尋ねると、ミユキさんはあっさりと口を開きました。
「使ったに決まっているじゃない」
トオルさんは耳を疑いました。
「使ったって……え? 冗談だよな?」
するとミユキさんは、少し不機嫌そうにこう言ったのです。
「だって、あなたなにも聞かなかったじゃない。いまさらグチグチ言わないでよ」
確かに、家計の管理は長年ミユキさんに任せきりでした。しかし、ここまで貯まっていないとは夢にも思いません。
「ちょっと待ってくれ、俺のバイク旅はどうなるんだ!? ずっと楽しみにしてたんだぞ!?」
そう伝えると、ミユキさんはため息をつき、信じられない言葉を口にしました。
「そんなの知らないわよ。もう還暦なんだし、やめたら? 危ないわよ」
その一言で、トオルさんのなかで何かが音を立てて崩れました。
後日、銀行の取引履歴を調べたところ、ここ数年で多額の引き出しが繰り返されていたことが判明。使途を問い詰めても、ミユキさんは「生活費」「友達との旅行」「投資で失敗した」など曖昧な説明を繰り返すばかりでした。
「気づいたときには、もう取り返しがつかない状態でした」
定年後の楽しみにしていた夢は完全に潰え、夫婦関係も冷え切ってしまったといいます。
「これって、取り戻せるんでしょうか?」