厚生労働省「人口動態調査」の結果によると、2024年の婚姻件数は48万5,063件、対して離婚件数は18万5,895件でした。1日あたり500組以上の夫婦が離婚している状況です。もっとも、離婚は「愛情が冷めた」「価値観が合わない」というだけで認められるものではありません。とある夫婦の事例をもとに、離婚を検討するうえで知っておきたいハードルをみていきましょう。弁護士が解説します。
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あ、この人もう無理かも…33歳専業主婦が「年収1,500万円のエリート夫」に恐怖。イタリア行きの飛行機内で気づいた“夫の本性”【弁護士の見解】
今すぐ離婚は難しい?弁護士の見解
付き合う前と後で相手の性格が急激に変わった……そんな経験をしたことのある人もいるのではないでしょうか。
結婚前であれば、違和感を覚えた段階で関係を解消することは比較的容易でしょう。しかし、いったん結婚すると、裁判で離婚するには「婚姻を継続し難い重大な事由」、いわゆる離婚事由が必要になります。
本件のような暴言は強いショックを受けるものですが、一度のやり取りだけで直ちに離婚が認められる可能性は高くありません。
問題となるのは、それが継続的なモラルハラスメントに当たるかどうかです。発言が繰り返される場合は、録音やメッセージ保存などで記録を残しておきましょう。
もっとも、同居を続けながら日常生活を維持していると、たとえモラハラ的言動を録音していたとしても、「婚姻生活が完全に壊れているとはいえない」と評価されることが少なくありません。
感情と法的評価は必ずしも一致しないのが現実です。どうしても関係を続けられないのであれば、別居して期間を重ねることも一つの方法でしょう。別居中でも、原則として収入の多い側には婚姻費用(※)の支払い義務があります。
(※)婚姻費用とは、法律上夫婦がお互いに負担すべき生活費のこと。民法上、夫婦はお互いに助け合わねばならないという「相互扶助義務」が定められており、この義務は「相手に自分と同等の生活をさせなければならない」というもの。
結婚は簡単でも、離婚は簡単ではありません。結婚前に相手を見極めることの大切さを、改めて考える必要があるといえるでしょう。
山村暢彦
弁護士法人山村法律事務所
代表弁護士