通常、マンションの大規模修繕工事は「12年周期」が推奨されているそうです。しかし、一級建築士の建山晃氏は「まともに造られた建物であれば新築後12年で大きな問題が起こるとは考えにくい」と言います。では、自宅マンションの寿命を延ばすためにはどのような工夫が必要なのか、建山氏の著書『[新装版]マンションの大規模修繕でダマされない方法』(彩図社)から見ていきましょう。
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マンション大規模修繕のタイミング「新築後12年が望ましい」は本当? 一級建築士が語る“マンションの寿命”の延ばし方
わずか237例の「マンション建て替え」
ただ、実は建て替えはかなりハードルが高い。「中心地であること」「駅近であること」「容積率(敷地面積に対する建物の面積)に余裕があること」が重要で、区分所有者の5分の4の同意が必要になる。そのため日本のマンションでは建て替えがほとんど行われていないのが現状だ。国土交通省のデータでも2018年4月までで237件に過ぎない。
よって、ここでは大規模修繕工事を定期的に実施してマンションの寿命を延ばすことを考えたい。
国土交通省が発表した「改修によるマンションの再生手法に関するマニュアル」(平成16年6月、令和3年9月改訂)の中にあるマンションの補修・修繕・改修の概念図(図表)を見てほしい。
これを見ると3回目(36年目)の大規模修繕工事が一番改修の幅が大きくなっている。当然、金額もここが一番大きくなるだろう。この図を基に修繕計画を立案すると、回数を重ねるごとに修繕費が大きくなるため、4回目では修繕積立金の値上げを含んだ計画でない限りマイナスになってしまうだろう。そしてそれ以後も同様である。
100年先のことを考えたら、修繕積立金で管理組合が破綻するような計画はやめるべきだと、イメージを描いていただけただろうか。
建山 晃
1級建築士
