2025年3月、複数のメディアが「マンションの大規模修繕工事をめぐり、施工会社約20社が談合を繰り返していた疑いで、公正取引委員会が一斉に立ち入り検査を行った」と報じました。この背景には、大規模修繕工事特有の“構造”が関係しているとみられます。1級建築士・建山晃氏の著書『[新装版]マンションの大規模修繕でダマされない方法』(彩図社)より、修繕積立金と管理費をめぐるトラブル事例と、その予防策をみていきましょう。
(※写真はイメージです/PIXTA)
全国で発生する「修繕積立金」と「管理費」をめぐるトラブル…悪徳業者に騙されないための〈施工会社選定〉のポイント【1級建築士の助言】
20社による「談合」疑惑…業界全体に厳しい視線
2025年の3月の報道で、大規模修繕の施工会社20社による談合が報じられた。またコンサル会社にも聞き取りが始まったらしい。7月にはNHKの夜の報道番組でも取り上げられている。
業界の人間からすれば、「まだやっているのか」と呆れてしまう。
私の知る限り、現在の公共工事において、建設会社の官庁営業マン同士が会っても口も聞かないよう厳命されている。それほど談合には厳しくなっているのだ。
しかし大規模修繕の会社ではそうでも無かったようである。実は規模の大小にかかわらず、大規模修繕専門会社の前身は塗装専門会社が多い。塗装会社も橋梁の改修工事は公共機関から直接工事を請け負うので、談合的な体質は持っているのである。
私見ではあるが、独禁法違反の疑いで施工会社に査察が入ったことで、管理会社やコンサル会社も査察対象になるのではないかと思う。価格調整は施工会社だけではできないからである。
施工業者の選定には、必ず管理会社やコンサルタントの推薦だけでない業者を入れて選定するか、あるいは信頼のある人間に見せて査定してもらうべきだ。単価はプロが見れば一目瞭然である。
建山 晃
1級建築士