日経平均株価は2024年2月22日に1989年12月30日の史上最高値(3万9,894円)を更新して以降、調整はありながらも足元では54,000円台を記録するなど、上昇を続けています。2024年1月からはじまった新NISAを機に投資をはじめた個人など、この上昇相場の恩恵を受けている人も多いのではないでしょうか。ただ、なかには大きな損失を出してしまい“トラウマ級の後悔”に見舞われた人もいるようです。定年後に株式投資をはじめた60代男性のケースをみていきましょう。
(※写真はイメージです/PIXTA)
生きた心地がしなかった…退職金1,500万円の60歳男性〈日経平均・史上最高値更新〉の上昇相場でNISAを開設→運用益に気を良くした結果“トラウマ級”の後悔【CFPが警鐘】
上昇相場で見落とされがちなリスク
一般に「投資」は、成長や価値の向上を見込み、時間を味方につけて資産を育てていく方法です。
一方「投機」は、短期的な価格変動を予測し、その結果によって利益を狙う方法です。今回、ナオキさんが選択したのは、投資というよりも投機に近い判断でした。
ナオキさんが購入したのは、指数の動きに対してマイナスの値動きをするインバース型商品です。本商品は一般的に、保有資産の下落リスクを抑える目的、いわゆるリスクヘッジとして使われます。
このインバース型は、相場が上昇局面に入ると損失が拡大しやすくなります。ナオキさんのケースでも判断が遅れたことで、損失が大きくなってしまいました。
こうした商品に投資する場合には、「〇%以上下落したらその時点で売却するなど、あらかじめ損切りのルールを決めておく」ことが必要不可欠です。投資と投機の違いを正しく認識したうえで、時間を味方につけて長期的な視点で投資を進めていきましょう。
辻本 剛士
神戸・辻本FP合同会社
代表/CFP