公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金(2024年度)」によると、2020年から24年までの5年間で、マンションの管理費は約7.5%、修繕積立金は約16.5%上昇しているそうです。では、毎月徴収されるこのお金が、実際どのように管理・使用されているのか――。1級建築士・建山晃氏の著書『[新装版]マンションの大規模修繕でダマされない方法』(彩図社)より、マンション大規模修繕の“ありえない実態”を紹介します。
こんな詐欺まがいのことが許されるのか…70歳・一級建築士が自宅マンションで目の当たりにした「大規模修繕」のありえない実態
マンション管理組合は“大金持ち”だった?
理事長になって最初に驚いたのは、マンション管理組合は大変なお金持ちだったこと、そして管理組合は建築や建物管理について全くの素人だったことである。
管理組合には修繕積立金として3億円近いお金があり、それは住民(区分所有者)から毎月修繕費と管理費を徴収して集まったものである。それなのにその使い方は、修繕積立金は外部のコンサルタントに、管理費は管理会社に丸投げの状態で、特にエレベーターの保守管理費用として5年間で最大1,000万円以上も消えていた。
そして今後の長期修繕計画を確認すると、次の大規模修繕には現在の積立金を全て使うどころか、何千万円もマイナスになるような計画であった。計画の内容も全くする必要のない工事であった。
管理会社がいくら“ずさんな管理”をしようが、まかり通ってしまう現実
管理費の金額が大きくなるエレベーターや受水槽の管理は、管理会社を通じて行われている。保険についてもこの管理会社は同様にずさんであり、建物の評価額を低く抑えた保険に入っていて、大災害に対応していない中身だった。
本来、管理会社は多くのマンションを管理していて様々な情報を入手できるのだから、現状に見合っていない内容を指摘するはずの立場だ。それなのに、していなかった。
こんな対応がまかり通っていた原因は、この理事会に建築や建物施工管理の専門家が不在であったのと、区分所有者である住民の無関心が挙げられる。この無謀な長期修繕計画については即座に中止と再検討を指示し、事なきを得た。
住民から徴収された「巨額の修繕積立金」を狙う“ペテン師”たち
また理事長になり強く感じたことは、修繕積立金や管理費といった巨額なお金を目当てにした詐欺師、ペテン師がウヨウヨしているのが、マンション管理の世界であるということだ。
彼らは法に触れない手段で管理組合からお金を吸い取ろうとしている。そしてその手段は実に巧みだ。