親は、子どもや孫の年齢にかかわらず何かと世話を焼きたいものですが、老後の家計では使えるお金に限りがあります。自分たちの資産状況を顧みず、無制限に援助するわけにはいきません。お正月が過ぎても一向に帰る気配のない娘と孫……70代夫婦はどう対応したのでしょうか。牧野FP事務所合同会社の牧野寿和CFPが解説します。
そろそろ3学期じゃないか?…冬休み終了間近も実家に居座る36歳娘と9歳孫。年金月25万円・70代夫婦の“平穏な老後”が終わりを告げた「娘の告白」【CFPの助言】
娘婿からの「まさかの電話」
Aさん(76歳)と妻のBさん(70歳)は、都心から新幹線で2時間ほどの地方都市に住んでいます。年金は夫婦で月25万円と、贅沢こそできませんが、戸建住宅で悠々自適な老後を過ごしていました。
ある日、そんな夫婦のもとに、都内に住むひとり娘Cさん(36歳)の夫Dさんから、「今度の年末年始は母子だけで帰省するのでよろしくお願いします」と電話がありました。
電話を取った妻のBさんが理由を聞くと、「自分の浮気が原因でCさんから離婚を迫られて、いくら謝っても許してもらえない。なんとか離婚を思いとどまるよう説得してほしい」と言うのでした。
驚いたBさんは、ひとまず電話の内容をAさんに話しました。その結果、Cさんからこの話があるまで、Dさんから電話があったことは黙っていることにしたそうです。
娘からの告白
娘と孫が帰省して数日が経過。正月の三が日が過ぎ、いつもなら都内の自宅に帰る日程にもかかわらず、一向に帰る気配のない母の異変に気付いた9歳の孫娘が「パパが怒るから早く帰ろうよ」と急かします。
Aさんは、娘が切り出しやすいようにと、あえて「そろそろ3学期じゃないか? ウチとしてはいつまでいてくれてもいいが、そんなわけにもいかんだろう」と話しかけます。
すると、ついにCさんから「離婚したい」と話がありました。話を聞くと、離婚以外にも夫の普段の振る舞いに精神的に追い込まれていたとのこと。
夫婦は、娘から話を聞くことができ、まずはホッとしたそうです。それと同時に、愛娘と孫を守るため、たとえDさんの言い分に正当性があったとしても、いまはDさんのもとへ帰すわけにはいかないと考えたといいます。
離婚の実態
厚生労働省「令和4年度『離婚に関する統計』の概況」によると、結婚した男女のおよそ3組に1組は離婚しているようです。
また令和5年司法統計によると、離婚の申立て理由として夫妻ともに多いのが「性格が合わない」で、次に夫からは「精神的に虐待する」、「異性関係」と続き、妻からは「生活費を渡さない」、「精神的に虐待する」と続きます。なお、妻が申立人となる割合は夫の3倍です。
