「静かな退職(Quiet Quitting)」という言葉をご存じでしょうか。これは、会社で与えられた必要最低限の仕事だけをこなし、それ以上の貢献やキャリアアップを求めない働き方を指します。“誰よりも遅く出勤して誰よりも早く退勤する”竹内昌仁さん(仮名・55歳)もこの働き方を実践するひとりです。「なんで辞めないんだ」などと陰口をたたかれることもあるようですが、本人はまったく気にしていません。いったいなぜなのか、詳しくみていきましょう。
あいつ、なんで辞めないんだ?…年収400万円の55歳“万年ヒラ社員”が「誰よりも遅く出勤して誰よりも早く退勤する」ワケ。上司が黙認する衝撃の事実【CFPの助言】
勤務先が許せば明日からでもはじめたい「会社員に人気の副業」
会社員に人気の副業としては、主に以下の3つが挙げられます。
1.パソコンで完結できる業務委託型の案件
パソコン1台で取り組める副業は、会社員にとってはじめやすい選択肢のひとつです。Web制作やライティング、動画編集、SNS運用代行などは需要が拡大しており、クラウドソーシングサービスでも豊富に案件があります。会社の定時後や休日を活用し、パソコンさえあれば場所に縛られず取り組める点も大きなメリットです。
最初は収入がわずかでも、少しずつスキルと経験を積み重ねることで収入が増える可能性があります。自分の能力がお金になる経験は自己肯定感につながるだけでなく、本業のキャリアの幅を広げる点も魅力でしょう。
2.飲食業や現場作業などでのアルバイト
勤務時間の前後や休日を使って、飲食業や現場作業など、別の会社でアルバイトとして働くことも副業のひとつです。ただし、たしかに収入は増えるものの、肉体的・精神的に疲弊し、メインの業務に悪影響をおよぼす可能性があるため注意しましょう。くれぐれも無理は禁物です。
3.資産運用
資産運用も、見方によっては立派な副業のひとつです。不動産投資は家賃収入という「ストック型」の収入源を生み、株式などへの投資は値上がり益を期待できます。
一方、資産運用にはどんな金融商品にも価格変動リスクがあり、大きな損失が発生する可能性があります。単に月々の収入を増やすために副業をするというのもひとつの方法ですが、長期的な視点で、将来の準備として長期的な視点で取り組みましょう。
多様化の時代といわれるなか、それぞれが自分に合った働き方を模索していくことが重要かもしれません。
安定基盤を活かしつつ「収入源の多様化」を
現在の収入や年齢にかかわらず、いまの行動しだいで将来の姿は変えられます。竹内さんのような副業で複数の収入源を持つことはもちろん、勤務先を変えずに資格取得によって手当収入を増やしたり、支出を減らして余剰資金を資産形成に回すというのも立派な資産形成方法のひとつです。
資産形成の基本は、長い時間をかけてコツコツと継続すること。会社員という安定基盤を活かしながら、副業や投資で収入源を複線化していくことが、これからの時代の賢い生き方といえるでしょう。
大竹 麻佐子
ゆめプランニング 代表
ファイナンシャルプランナー(CFP)
相続診断士