ロシア人の妻と幼い子ども2人を抱えながら、アメリカで肉体労働(大工)を主な仕事として生活を送る日本人“地獄海外難民”氏。ギリギリの生活をするなかで、アメリカでの“クリスマス出費”の大きさに「まさに地獄」と語ります。YouTubeも話題の著者による『底辺の大工、ヤバいアメリカで生きのびる 絶望の中で見つけた「自分を見失わない」方法』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編してご紹介します。
予算は「15万円~30万円」が当たり前、開封の儀式に「5時間以上」の地獄…アメリカの〈異常なクリスマス出費〉【人気YouTuberが語る】
日本でのクリスマスの思い出は、当時88円のマクドナルドのハンバーガー
クリスマスといえば、難民家では毎年クリスマスツリーを買っています。「金に困ってるくせにツリーなんて買うんじゃねえ」とコメントをいただくこともありますが、今のところ、何とか工面しながら毎年クリスマスツリーを買っています。
僕の子ども時代のクリスマス唯一の思い出といえば、10歳頃、アルコール依存症だった母親にワインを買いに行かせられたことでした。
暖かい店内に入ると、大きなクリスマスツリーと、楽しそうに買い物する親子が見え、羨ましさとほっとした気持ちが入り交じっていたのを覚えています。でもその帰り道、地面が凍っていたため滑って転び、僕はワインを割ってしまいました。
泣きながら家に帰ると、母親は僕を怒鳴りながらボコボコに殴り、マンションの屋上に連れて行ったのです。さらに母は僕に屋上の柵を越えさせて、「柵から手を離せ!」と言ってきました。何とか放してもらったその晩、僕はマクドナルドの当時88円のハンバーガーを食べて眠りにつきました。
だから、クリスマスツリーが自分の家にあると、まるで異世界にいるような、特別な気分になるのです。もちろん自分たちのクリスマスツリーを持つことは妻の夢でもありますし、息子もツリーが大好きなので、これからも買えるよう頑張ろうと思っています。
地獄海外難民