日本の約26倍も広いアメリカでは、日常生活を送るうえで車の運転が不可欠。しかし、アメリカ人のめちゃくちゃすぎる運転マナーに、通勤時間はもはや命がけの戦いだとか……。アメリカ・NYで肉体労働(大工)を主な仕事として生活を送る日本人“地獄海外難民”氏著者による『底辺の大工、ヤバいアメリカで生きのびる 絶望の中で見つけた「自分を見失わない」方法』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編して、その現実をご紹介します。
ローン完済間際にトラックが激突・車が大破…「法定速度?なにソレ?」車社会アメリカで繰り広げられる“命がけ”の通勤風景【人気YouTuberが語る】
もう少しでローン完済のはずだった車が、トラックの当て逃げで大破して…
2022年、東京都の交通事故数は、警視庁交通部のデータによると3万170件とされていますが、2022年のニューヨークシティの自動車事故数は10万508件、東京の約3倍です。難民家も、交通事故の被害に遭っています。妻が運転していた車が、当て逃げされたのです。
妻は法定速度で走っていたのに、橋の上の道路で法定速度の倍のスピードで走ってきたピックアップトラックが車線をはみ出してきて、妻の車に激突。妻の車はスピンして大破しました。
妻の車には当時乳児だった長男も乗っていましたが、幸いなことに妻も子どもも無事。いや、これは本当に寿命が縮んでトラウマになる出来事でした……。でも、相手はそのまま逃げました。相手が見つからないと保険料が上がるので困っていましたが、1週間後、橋のカメラ映像から犯人が特定されました。
保険会社同士の裁判が始まると、相手が「妻側にも20%の過失がある」とか言い出して呆れ返りましたが(妻は法的速度で走っていただけ。そこにいたことが悪いというのか)、最終的には相手の100%過失が認定されて(当然です)、補償金を受け取ることに。
ただ、その補償金は現在の車の価値で支払われるため、購入時の金額の60%程度しかもらえませんでした。実は、その当時はもう少しでローン完済になり、当て逃げされなければ毎月300ドルのローンがなくなる時期でした。それが、車の大破でまた別の車を買わなければいけなくなったのです。
結局、補償金でその車のローンを完済し、残りは新しく買う車の頭金に当てましたが、僕らはまたローンを払い続ける生活に戻ります。当て逃げがなければ、生活も少しラクになったはずなのに……。
世の中ってほんとに理不尽です。
地獄海外難民