アメリカと日本にはさまざまな違いがありますが、その一つが医療費です。ロシア人の妻と幼い子ども2人を抱えながら、アメリカで肉体労働(大工)を主な仕事として生活を送る日本人“地獄海外難民”氏による『底辺の大工、ヤバいアメリカで生きのびる 絶望の中で見つけた「自分を見失わない」方法』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編して、アメリカの医療制度と難しすぎる保険制度についてご紹介します。
たった30分の診察であわや「20万円超え」…アメリカ在住日本人が驚愕する“バカ高い医療費”の実態【人気YouTuberが語る】
加入している保険しだいでは死に直結する!?
アメリカと日本とで、大きく違うものに医療費があげられます。そして、アメリカで病院に行くのは結構大変だと思うようになります。なぜなら、医療費がバカげているからです。
たとえば以前、僕がアレルギーを診てもらうために病院に行った時は1490ドル、約22万円もかかりました。30分ぐらいの面談で、軽く現在の体の状況について話をしただけで、まさかの20万円超え。
まあ、普通のお医者さんではなく専門医なので高いのは覚悟していましたが、それにしても、この値段はちょっと高いです。
ただ、その時は大工組合の保険があったので、全額カバーされました。ありがたや。もしこの健康保険がなかったらと考えると、ゾッとします。
アメリカでは働かないと保険には入れません。ロイターの情報によりますと、アメリカでは約3000万人の人が無保険なのだそうです。
国と州が運営する健康保険「メディケイド」もありますが、これは本当に貧乏な人でなければ受給できません(難民家も一時期お世話になっていました)。大工組合でも、1〜6月の間に600時間の労働、6〜12月の間にさらに600時間働いて健康保険をもらえる仕組みになっています。
また、雇用先が保険を提供していますが、大工組合のように条件の良い保険を提供しているところもあれば、中には質の悪い保険を提供している会社もあります。
質の悪い保険というのは、病院の窓口で払う金額が高かったり、その保険でカバーできる治療の数が少なかったりする保険です。オフィスワークだからとか、給与が高いからという理由だけで仕事を選んでしまうと、命取りになることもあるのです。
