ロレックスの種類の特徴
ロレックスの腕時計は、大きく「スポーツモデル」と「クラシックモデル」「レディースモデル」に分けられます。
スポーツモデル
スポーツモデルは「プロフェッショナルモデル」とも呼ばれ、レース、ダイビング、探検、航空など、特定の職業や趣味に対応する設計がされています。ストップウォッチ機能(クロノグラフ)や300m防水といった高い機能性に加え、力強いデザインも魅力で、高い人気を誇ります。
クラシックモデル
クラシックモデルは、シンプルなデザインからエレガントなデザインまで幅広いデザインが特徴のシリーズです。スポーツモデルほどの特殊機能は備えていませんが、基本性能は非常に高く、フォーマルからカジュアルまで幅広いシーンで活躍します。伝統に根ざしたスタイルは、多くの人々を魅了しています。
レディースモデル
レディースモデルには、レディ・デイトジャストを筆頭に、クラシックモデルやスポーツモデルの小径ケースバージョンも用意されており、華やかさと実用性を兼ね備えたラインナップとなっています。
ロレックスのスポーツモデルの種類一覧
スポーツモデルには、特別な機能と外観を持つモデルがラインナップされています。
ロレックスの人気ランキングでは、いずれのモデルも上位に名を連ねています。中でもデイトナは特に人気が高く、流通量の少なさや高い需要から、定価を大きく上回るプレミア価格で取引されることも珍しくありません。
コスモグラフ デイトナ
ロレックス現行製品で唯一のクロノグラフモデルであり、絶大な人気を誇るのが、1963年に登場した「デイトナ」です。
レーサーの着用を想定して設計されており、高い視認性と操作性を備えています。タキメーターが刻まれたベゼルと、3つのインダイヤルを備えた文字盤が特徴です。
現行モデルは2023年に発表されたもので、前モデルに引き続きセラミック製ベゼルを採用しつつ、新たに金属製の縁が加えられた点が外観上の主な変更点となっています。搭載されている新ムーブメントにはロレックス独自の特許技術が活かされており、耐磁性や耐衝撃性が一段と向上しました。
ケース素材には、スタンダードなステンレススチールのほか、プラチナ、イエローゴールド、ホワイトゴールドなどの貴金属を用いたモデルも展開されています。また、バックスケルトン仕様や宝石があしらわれた豪華なデザインのモデルも存在します。
サブマリーナー
サブマリーナーは、1950年代に登場したロレックスの代表的なモデルであり、世界初の本格的なダイバーズウォッチのひとつとして知られています。当時としては画期的だった100メートルの防水性能や、経過時間をひと目で確認できる回転ベゼルは、後のダイバーズウォッチの基準を築く革新的な機能でした。
防水性能は、1989年に登場したリファレンス16610で300メートルへと進化し、以降のモデルでもこの性能は維持されています。
現行モデルは2020年に登場し、ケースサイズは従来の40ミリから41ミリへとわずかに拡大され、全体的によりタフで存在感のある印象となっています。
デイト表示ありのモデルには、グリーンベゼルの通称「グリーンサブ」、青いベゼルとゴールドが印象的な通称「青サブ」、そしてゴールド無垢のモデルがあります。一方、デイト表示なしのモデルはステンレス製のみで展開されています。
シードゥエラー
「海の住人」の名を持つシードゥエラーは、サブマリーナーを上回る防水性能を備えた本格的なダイバーズウォッチです。深海での使用を想定して設計され、浮上時の圧力変化による破損を防ぐために、「ヘリウムエスケープバルブ」と呼ばれる特殊な構造が搭載され、サブマリーナーとの外観上の大きな違いのひとつになっています。
1967年に登場した初代モデルは、当時としては驚異的な610メートルの防水性能を誇り、さらに1978年に登場したモデルで1,220mと大幅に向上しました。その後もモデルチェンジを重ね、2017年に発表された現行モデルでは、防水性能こそ変化がありませんが、サイクロップレンズが追加され、視認性が向上しました。ケースサイズは43ミリへと拡大され、より存在感のあるデザインとなっています。
ディープシー
2008年に発表されたディープシーは、シードゥエラーをさらに上回る3,900メートルという驚異的な防水性能を誇るダイバーズウォッチです。この性能は、ロレックスが独自に開発した「リングロックシステム」や、5.5ミリという極厚のサファイアクリスタル風防などによって実現されたものです。
これらの構造は、2022年に登場した現行モデルにも受け継がれており、極限環境下でも高い信頼性を維持する設計が施されています。
ディープシー・チャレンジ
2022年には、11,000メートルという桁外れの防水性能を備えたモデル「ディープシー・チャレンジ」が発表されました。このモデルは、ロレックスとして初めてケース全体にチタン合金(RLXチタン)を採用した、直径50ミリの特大モデルです。
11,000メートルという防水性能は、人類が到達した最深部であるマリアナ海溝のチャレンジャー海淵の深度に相当し、裏ぶたにはその事実を記した刻印が施されています。極限の環境に対応するための構造が凝縮された、ロレックスの技術の結晶ともいえるモデルです。
GMTマスターII
GMTマスターの後継モデルとして1982年に登場したGMTマスターⅡは、短針を単独で操作できる機構を採用し、最大で3つのタイムゾーンを表示できるようになったモデルです。国際線のパイロットをはじめ、世界を飛び回る人々の使用を想定して設計されており、2色に塗り分けられたベゼルは、GMTマスターIIを象徴するデザインのひとつです。
現行ラインナップには、ジュビリーブレスレットを備えたブラックベゼルモデルやコンビネーション素材のモデルに加え、グリーンとブラックのベゼルを持つ「左利き仕様」も登場しています。このモデルでは、リューズとデイト表示がケース左側に配置されており、ロレックスとしては初めての仕様変更となっています。
ヨットマスター
インデックスが浮き彫りになった立体的なベゼルが特徴のヨットマスターは、ヨットを所有する富裕層を主なターゲットとして開発されました。
1992年の初代モデルはゴールドモデルのみでしたが、現在ではイエローゴールド、ホワイトゴールド、エバーローズゴールド(ピンクゴールド)、ロレゾールやロレジウムといった無垢素材を用いたモデルも展開されています。
さらに、2023年にはロレックスとして2作目となるチタン製モデルが登場し、軽量性と耐久性を備えた、より本格的なマリンスポーツ用途を想定した仕様となっています。
ケースサイズは42ミリ、40ミリ、37ミリの3種類がラインナップされており、カップルや親子で共有しやすいサイズ展開も魅力のスポーツモデルです。スポーティーさとラグジュアリーさを兼ね備え、豊富なバリエーションで幅広い層から支持を集めています。
エクスプローラー
「冒険者」の名を冠するエクスプローラーは、1953年に登場しました。ロレックスの時計がエベレスト登頂に使用されたことをきっかけに開発されたモデルで、過酷な環境下でも視認性と耐久性を発揮する設計がなされています。文字盤には3、6、9のアラビア数字が配され、特徴的な短針とともに高い視認性を実現しています。現行モデルは36ミリと40ミリの2サイズが用意され、用途や装着感に応じて選ぶことができます。
エクスプローラーII
エクスプローラーIIは、1971年に登場しました。洞窟や極地など、昼夜の区別がつきにくい環境での使用を想定し、24時間針と固定式の24時間ベゼル、デイト表示を備えているのが特徴です。2011年に登場した先代モデルからは、ケースサイズが42ミリへと拡大され、現在のモデルにもその設計が引き継がれています。
エアキング
デイト表示を持たないエアキングは、ロレックスの中でも最もベーシックなモデルのひとつとして1940年代に登場しました。しかし、2016年に再登場した際には、ケースサイズの拡大に加え、いわゆる「ベンツ針」やスムースベゼルが採用され、従来の印象とは大きく異なるデザインへと刷新されました。
時刻を分単位で視認できるよう、アワーマーカーとミニッツマーカーが併記されたダイヤルは、名称の通り航空時計を強く思わせるもので、現在ではスポーツモデルの一角を占める存在となっています。航空機の過酷なコクピット環境に対応する設計が施されており、内蔵された耐磁シールドなどは、かつてのミルガウスを思わせるスペックと言えるでしょう。
ミルガウス(廃盤)
イナズマ型の秒針が印象的なミルガウスは、個性が際立つロレックスの中でも異色モデルです。時計の精度に影響を与える磁気から内部機構を守るために開発されたモデルで、医師やレントゲン技師、科学者といった専門職での使用が想定されていました。
製造期間は1950年代から1988年までと、2005年から2023年までの二つの時期に分かれています。特に希少とされるのは初期の1950年代からのモデルで、なかでもイナズマ型秒針を備えた個体は市場で高い評価を受けています。
2005年以降の復刻モデルでは、グリーン風防を採用した仕様や、独特のブルー文字盤を備えたバリエーションが注目を集めました。従来のロレックスとは一線を画すデザイン性が支持され、熱狂的なファンを持つカルト的存在としての地位を確立しています。
ロレックスのクラシックモデルの種類一覧
時代を超えて愛され続けるロレックスのクラシックモデルは、ブランドの伝統と洗練を象徴する存在です。フォーマルからカジュアルまで幅広いシーンに馴染むその佇まいは、確かな技術とデザインに裏打ちされたもの。ここでは、デイトジャストやデイデイトをはじめとするロレックスのクラシックラインを一覧でご紹介します。
デイトジャスト
1945年の登場以来、デイトジャストはロレックスを代表するシリーズとして、ビジネスシーンをはじめ幅広い場面に対応できるデザインで高く評価されています。
フルーテッドベゼルとジュビリーブレスレットが伝統的な組み合わせですが、現在ではプレーンベゼルやオイスターブレスレットといった選択肢も加わり、より幅広いスタイルに対応しています。
ケースサイズは36mmと41mmの2種類があり、素材にはステンレスに加え、イエロー、ホワイト、エバーローズの3種類のゴールドが用意されています。さらに、豊富なダイヤルデザインが揃っており、そのバリエーションの多さはロレックスの中でも随一で、さまざまなニーズに応える構成となっています。
デイデイト
1956年の登場以来、富裕層のシンボルとして存在し続けているのがデイデイトです。12時位置にあるデイト表示が最大の特徴ですが、特徴的なのは、すべてが貴金属無垢の仕様である点です。現在、イエローゴールドやホワイトゴールド、ピンクゴールド、プラチナがラインナップされています。
また、3連のプレジデントブレスレットや、バリエーション豊富な文字盤もデイデイトならではです。高額なモデルが多いロレックスの中でも、一層際立つ存在となっています。
スカイドゥエラー
2012年に登場したスカイドゥエラーは、高機能性と高級感を両立したモデルです。
異なるタイムゾーンや日付、月を文字盤上に表示でき、直感的な操作が可能な点からも、ロレックスの高度な技術力がうかがえます。また、年に一度の調整で済む年次カレンダーも備えており、利便性の高さが際立ちます。
ケースにはイエローゴールド、ホワイトゴールド、ピンクゴールドが用意されており、さらにステンレスとゴールド、またはホワイトゴールドを組み合わせたコンビモデルも展開されています。世界中で活躍する多様なユーザー層を想定したラインナップと言えるでしょう。
オイスター パーペチュアル
「オイスター(防水機構)」と「パーペチュアル(自動巻き)」を組み合わせた名称は、ロレックスの原点を表しているかのよう。1931年に発表された初代は、エクスプローラーなどスポーツモデルの原型にもなりました。
現行のオイスター・パーペチュアルは、5種類のケースサイズが展開されているほか、様々な文字盤のバリエーションが人気です。従来のベージュや柔らかなムラサキ、グリーンに、2025年からはスタンダードさを感じる深いブルーやブラックが加わり、さらに魅力を増しています。
チェリーニ(廃盤)
1920年代に登場したドレスウォッチのシリーズ「チェリーニ」は、2023年にその役割を終えましたが、現行のスポーツモデルやクラシックモデルには見られない独自の雰囲気を持つ貴重な存在でした。
高い防水性や堅牢性、利便性よりも、ケースの薄さやコンパクトさを重視した設計だったため、ロレックスの代名詞とも言える防水機構の「オイスター」や自動巻きの「パーペチュアル」は、チェリーニでは、これらの機構がほとんど採用されていませんでした。
1908
2023年にチェリーニの後継として登場した「1908」は、クラシカルな魅力を備えたドレスウォッチです。モデル名はロレックスの創業年に由来し、初代オイスターパーペチュアルを彷彿とさせる伝統的な意匠が特徴です。
一方で、ムーブメントには最新技術が採用されており、高精度と約66時間のパワーリザーブを実現しています。加えて、自動巻きや50メートルの防水性能も備え、チェリーニにはなかった実用性を兼ね備えています。
薄型ケースにはゴールドやプラチナが用いられ、ストラップには上質なレザーやケースと同素材の貴金属が組み合わされています。チェリーニから受け継がれたエレガンスに、現代的な機能性が加わった、ロレックスの新たなドレスウォッチと言えるでしょう。
ランドドゥエラー
2025年に発表されたランドドゥエラーは、一見するとデイトジャストと大きな違いはないように映りますが、細部を見ていくほどに独自の個性が際立つモデルです。
まず目を引くのは、ブレスレットと一体化したようなケースデザイン。これは、1969年に登場したクオーツ仕様のデイトジャストを思わせる意匠で、どこかレトロでありながらも現代的な美しさが漂います。
厚さ10ミリに満たないスリムなケースは、ロレックスの新たな方向性を示唆するかのようです。デイトジャストに比べて約20%スリムな設計となっており、その薄さは、新たに設計されたムーブメントの恩恵によるものです。
2023年に発表された1908以来となる完全な新作として、ランドドゥエラーは今後の展開にも注目が集まります。
ロレックスのレディースのモデル一覧
現在のロレックスにおいて、明確にレディースモデルとして展開されているのは「レディ・デイトジャスト(28mm)」のみです。しかし、以下のモデルには女性にも適した小ぶりなケースサイズが用意されており、選択肢として注目されています。
これらはレディ・デイトジャストと異なり、大型モデルのデザインをそのまま縮小したような構成となっており、手首の細い方や若年層にも適しています。
また、エクスプローラーには36mmのモデルが存在するため、スポーツモデルを求める女性にとっても有力な選択肢となるでしょう。
- ・ヨットマスター(37mm)
- ・ランドドゥエラー(36mm)
- ・デイデイト(36mm)
- ・デイトジャスト(31、36mm)
- ・オイスターパーペチュアル(28、31、34mm)
- ・エクスプローラー(36mm)
まとめ
本記事でご紹介したように、ロレックスは多彩なモデルを展開しており、選択肢の幅広さが大きな魅力のひとつです。
とはいえ、現在のロレックスは慢性的な品薄状態が続いており、正規店で自由にモデルを選べる状況にはありません。希望するモデルを手に入れるためには、中古市場の活用や、状況によってはプレミア価格での購入も選択肢となるでしょう。