ミリタリーウォッチの魅力や歴史、人気ブランドを徹底解説!

Sponsored
株式会社コメ兵
ミリタリーウォッチの魅力や歴史、人気ブランドを徹底解説!
(※写真はイメージです)

腕時計ファンなら、ぜひコレクションに加えたいのがミリタリーウォッチです。

優れた堅牢性と機能性は、日常使いにもぴったり。「腕時計の歴史はミリタリーウォッチの歴史でもある」と言われるほど、奥深いストーリーも魅力です。

この記事では、ミリタリーウォッチの魅力とおすすめのブランドも紹介しているので、お気に入りの一本を探してください。

ミリタリーウォッチとは

   

ミリタリーウォッチとは、もともと軍事用途を目的として設計・製造された腕時計のことを指します。戦場などの過酷な環境下での使用を前提としているため、高い耐久性・視認性・信頼性を備えているのが特徴です。第二次世界大戦以降、各国の軍が独自の規格を設けて時計メーカーに発注してきた背景があり、正式採用モデルには軍用番号や支給コードが刻印されている場合もあります。

現在では、そうした軍用品としての系譜を持つ時計だけでなく、ミリタリー風のデザインや機能を備えた一般向けモデルも「ミリタリーウォッチ」として広く親しまれています。黒やオリーブドラブなど落ち着いたカラー、キャンバスやNATOストラップ、24時間表示、ハッキング機能(秒針停止機能)などが代表的なディテールです。

 

ミリタリーウォッチの基本

戦場をルーツとするミリタリーウォッチは、シンプルで無骨な外観が魅力です。

高い実用性と機能性を備え、アクセサリー感覚で身につけるドレスウォッチとは正反対の、実用性を重視した存在といえるでしょう。

 

ミリタリーウォッチに求められる機能として代表的なのが、防水性や堅牢性。

過酷な環境下でも正確に時を刻むための設計は、現代の日常生活においても非常に頼もしいものです。

雨の中でも安心して着用でき、多少ぶつけた程度では壊れる心配もありません。

こうしたタフさこそが、ミリタリーウォッチの大きな魅力です。

ただし、その無骨さゆえに、フォーマルな場面ではやや浮いてしまうことも。

控えめなデザインや上品なブランドを選ぶなど、TPOに応じた選択が重要です。

 

ミリタリーウォッチが人気の理由

存在感が大きいミリタリーウォッチは、注目を集めやすい存在です。大型ケースを採用しているものが多く、ミリタリー由来のディテールも目を引きます。

ミリタリー由来のディテールでは、たとえばナイロン製のNATOベルトです。多くの腕時計で見られるようになりましたが、金属やレザーに比べると今だに目立ちます。ほかにも大型のリューズやクロノグラフなど、ミリタリーウォッチの多くは目を引くディテールを備えています。こうした個性的なディテールは、ファッションのアクセントとしても活躍します。

 

奥深きミリタリーウォッチの歴史

ミリタリーウォッチの歴史は、腕時計そのものの歴史と重なります。
腕時計というスタイルを世に広め、多くの基本機能を最初に搭載したのも、ミリタリーウォッチでした。

ここからは、19世紀末に始まるその歩みをたどっていきましょう。

 

ミリタリーウォッチの始まり

最初のミリタリーウォッチは、1880年代に登場しています。

ドイツ皇帝・ヴィルヘルム1世の命により、スイスの時計メーカー「ジラール・ペルゴ」が開発したもので、ポケットウォッチにベルトを取り付け、風防に保護カバーを装着した構造が特徴です。

手をふさぐことなく時間を確認できるこの時計は、ドイツ海軍の将校向けに2,000個が製造されましたが、使用は訓練時のみに限られていました。実戦で最初に用いられたミリタリーウォッチは、1899年ごろに登場しています。第2次ボーア戦争において、イギリス軍の兵士たちが腕時計を着用し、その利便性が広く知られるようになりました。

 

第一次世界大戦とミリタリーウォッチの普及

第一次世界大戦を契機に、ミリタリーウォッチは急速に普及しました。作戦遂行に欠かせない存在となり、そこで採用された機能やデザインは、後の腕時計開発にも大きな影響を与えました。

ミリタリーウォッチを初めて標準装備として支給したのは、アメリカ軍でした。1912年にハミルトン製のものが採用され、本格的な軍用時計としての歴史が動き出します。

また、戦争中に登場した新兵器「航空機」は、より精密な時間計測を求められる場面を生み出しました。

これに応えるかたちで、クロノグラフ(ストップウォッチ機能)が開発されました。が開発されます。1915年には、ブライトリングが1つのボタンで操作可能なストップウォッチ機構や、30分積算計を備えたクロノグラフを発表。

これは、空軍のニーズに応える機能を盛り込んだ画期的なモデルでした。

 

第二次世界大戦とヴィンテージミリタリーウォッチ

第二次世界大戦では、さらに多機能なミリタリーウォッチが登場しました。

 

手袋でも扱える大型リューズ

スイスの時計ブランド「オリス」は、防寒手袋を着けたままでも操作しやすいよう、大型のリューズを備えたパイロット向けモデルを開発しました。

 

海中での視認性を高めるための夜光塗料

イタリアの時計ブランド「パネライ」は、海中での任務に対応するため、夜光塗料を開発して文字盤に取り入れました。

暗所でも時間を正確に読み取れるこの技術は、のちのダイバーズウォッチにも受け継がれていきます。

 

回転計算尺付きクロノグラフ

スイスの時計ブランド「ブライトリング」は、平均速度や燃料消費量を素早く計測できるよう、回転計算尺付きのクロノグラフを開発。

これにより、飛行中の判断精度が大幅に向上しました。

現代でも評価が高く、当時のオリジナルモデルはコレクターズアイテムとして高値で取引されています。一方で、精巧な偽物も多く流通しており、購入時には信頼できるショップ選びが重要です。

 

現代のミリタリーウォッチ

意図せずミリタリー化したモデルの登場や、ジェンダーレスな広がり、スマートウォッチとしての進化は、現代のミリタリーウォッチを語るうえで欠かせない要素です。

 

カシオ・G-Shock:意図せずミリタリー化

意図せずミリタリー化した腕時計の代表格が、カシオ・G-Shockです。耐衝撃性に優れ、アウトドアやスポーツ向けとして設計されたモデルでありながら、結果的に自衛隊員や海外の軍人にも広く使用されるようになりました。

興味深いのは、メーカー側がミリタリー性を強調していない点です。必要な性能を追求した結果、自然と“ミリタリー仕様”になったとも言えるでしょう。

 

性別を超えて広がるファン層

かつては「無骨な男性向け」のイメージが強かったミリタリーウォッチですが、現在では女性からの支持も増えています。装飾を抑えたデザインや、実用性を重視したフォルムが「ファッション性と機能性を兼ね備えている」として、ジェンダーレスなトレンドと相性がぴったりです。

 

スマートウォッチとしての進化

さらに近年では、スマートウォッチとの融合も進んでいます。
たとえば、G-SHOCKの一部モデルではGPSやBluetooth、センサー類を搭載し、極限環境での使用を想定したスマート機能を備えています。軍や災害現場などでリアルタイムな情報把握やナビゲーションが求められる場面では、こうした「タフネス×スマート」な進化は大きな武器となっています。

 

ミリタリーウォッチの魅力

奥深い歴史や豊かなストーリーに加え、ミリタリーウォッチは腕時計としての実用性や魅力も兼ね備えています。

堅牢性や信頼性など、腕時計に必要とされる要素のほとんどを満たしているのがミリタリーウォッチです。

 

堅牢性と信頼性

堅牢性や信頼性は、ミリタリーウォッチにとって基本的な要素です。
それは過酷な戦場での使用を前提として設計されているためですが、日常生活においても、これらの特性は腕時計に求められる重要なポイントとなっています。

初期のミリタリーウォッチには風防を保護するため、金属製のカバーが装着されていました。また、ベルトの取り付け部分には、破損しやすいバネ棒をあえて使用しない仕様も見られます。現在のモデルでは、耐衝撃性や防水性の高いサファイアクリスタルや高機能素材が用いられるなど、技術の進化が顕著に現れています。

戦時中に正式採用された多くのミリタリーウォッチは、日差30秒以内といった厳しい精度基準をクリアするものでした。こうした堅牢性と信頼性の高さこそが、ミリタリーウォッチが現在も広く支持されている理由のひとつです。

 

実用的な機能

ミリタリーウォッチの多くには実用的な機能が搭載されており、日常の使用でも頼りになります。

たとえば高い防水性能があれば、ダイビングやスイミングに使用でき、クロノグラフはタイマーのかわりに使え、文字盤に使われる夜光塗料は暗闇での時間確認に欠かせません。

近年のミリタリーウォッチには、高度計やコンパス、GPSなどが搭載されているものもありますが、これらの機能はアウトドアでの活動や万が一の災害時に役立ってくれるでしょう。

時間の進行を一時的に止める機能や、光の反射を抑えた文字盤、風防のコーティングなどもミリタリーウォッチに由来しており、腕時計の日常での使用を支えています。

 

シンプルで洗練されたデザイン

一目で時間がわかる視認性の高さや操作しやすいシンプルなデザインも、ミリタリーウォッチの魅力のひとつです。

文字盤には大型のアラビア数字や特徴的な針が用いられていますが、これらは視認性の高さを追求したからであり、デザインのアクセントにもなっています。また、航空時計の一部をのぞき、多くのミリタリーウォッチはシンプルな3針を採用していますが、これも視認性を高めるためです。

リューズの大きさやプッシュボタンの位置は、操作しやすさを考慮したもので、操作の妨げになる装飾を省いたデザインは、洗練された印象を与えてくれます。

厳しい環境下で使用できるよう、様々な工夫を凝らした結果、ミリタリーウォッチの現在のデザインにたどり着いたといえるでしょう。

 

人気のミリタリーウォッチブランド

ここからは、ミリタリーウォッチを語るのに欠かせないブランドを紹介していきます。一見ミリタリーとは無関係に思えるブランドでも、ルーツやディテールを知れば、それらがミリタリーウォッチのブランドであることがわかるでしょう。

 

レマニア

高精度のクロノグラフムーブメントで知られるレマニアは、スイス時計産業の隠れた名匠として長い歴史を誇ります。特筆すべきは、軍用時計の分野で世界最多の生産実績を誇る点です。その精緻なムーブメントは、多くの軍事組織に採用され、信頼を集めてきました。

特に有名なのが、イギリス軍のパイロットウォッチ「6B/159」です。このモデルは、レマニア製のムーブメントを搭載し、過酷な環境下でも確実に時を刻む信頼性から、第二次世界大戦中の空の戦士たちに愛用されました。

また、レマニアはオメガと深い関わりを持ち、同社の「スピードマスター」にもムーブメントを提供。1969年、人類が初めて月面に降り立った際、宇宙飛行士たちの腕にはレマニア製ムーブメントを搭載したスピードマスターが輝いていました。

さらに、冷戦時代のフランス軍向けに開発されたクロノグラフ「タイプ20」もその代表例です。軍事用の厳しい規格をクリアし、高精度と堅牢性を兼ね備えたこのモデルは、パイロットたちに絶大な信頼を得ました。

軍用時計で培った技術は、ラグジュアリーウォッチの分野でも遺憾なく発揮され、レマニアは職人技と信頼性の象徴として、多くの時計愛好家たちに支持されています。

 

オメガ

オメガ・シーマスター300は、1940年代にイギリス国防省に約11万個が納入された実績を持つ、名実ともにミリタリーウォッチの代表格です。

オメガはそれ以前からも多数の軍用時計を供給しており、その信頼と実績が評価されての採用だったと考えられます。

一方で、シーマスター300の愛用者として多くの人が思い浮かべるのが、映画『007』シリーズのジェームズ・ボンドでしょう。複数の作品で着用されており、その登場を記念した限定モデルも発売されています。

ボンドはMI6所属の諜報員であると同時に、イギリス海軍中佐という軍人の顔も持っています。彼の腕に巻かれたシーマスター300は、単なるファッションアイテムではなく、まさにミリタリーウォッチの延長線上にある存在だと言えるでしょう。

 

 IWC

IWCもオメガと同様に、第二次世界大戦中にイギリスへミリタリーウォッチを納入していました。
中でも広く知られているのが、パイロットウォッチとして展開されているマーク・シリーズです。

2025年現在ではマーク20が好評を博していますが、これはかつてイギリス空軍で採用されたマーク11の後継モデルにあたります。
視認性を重視したシンプルな3針構成、堅牢なステンレスケース、高精度なムーブメント、そして耐磁性を備えた内部構造といった特徴を、現代的に受け継いでいます。

近年ではカラーバリエーションも増え、外見だけではミリタリー由来とは気づきにくいかもしれませんが、マーク・シリーズはその本質において、今もなおミリタリーウォッチと言える存在です。

 

ゼニス

ゼニスは、イタリアやフランスの空軍に腕時計を納入した実績を持つほか、ルイ・ブレリオやレオン・モラールといった歴史的パイロットたちが愛用したことでも知られるブランドです。

航空業界との関係も深く、英語の「Pilot」やフランス語の「Pilote」をいち早く商標登録し、現在ではこれらの語を文字盤に正式に表示できる唯一の時計メーカーとなっています。

現行のパイロット・シリーズでは、大型リューズやアラビア数字の文字盤など、古典的な意匠が取り入れられており、クロノグラフ・モデルにはフライバック機能も搭載。
全体として、往年のミリタリーウォッチを彷彿とさせる仕上がりとなっています。

 

パネライ

イタリア海軍と深い関係を築いていたパネライが、初めてミリタリーウォッチ「Ref. 3646」を納入したのは1940年代のことです。
そして、民間向けに初めて製品を発売したのは1993年。モデルは「ルミノール」でした。

無骨で堅牢なデザイン、高い視認性、そして72時間〜192時間という驚異的なパワーリザーブなど、現行のパネライにもミリタリー由来の実用性が色濃く残っています。

ルミノールとは、パネライが開発した夜光塗料の名称で、暗所での視認性を高めるための工夫です。
これに加えて、パネライのアイコンともいえるリューズガードも、ミリタリーユースを意識した設計思想の表れと言えるでしょう。

 

 ハミルトン

アメリカ生まれのブランド、ハミルトンがアメリカ軍にミリタリーウォッチを納入したのは、第一次世界大戦中のこと。これが軍用装備としての腕時計の始まりとされています。
続く第二次世界大戦では、その供給量が飛躍的に増加し、ハミルトンは民間向けの製造を一時停止するほどでした。

そんなハミルトンの軍との関わりを象徴するモデルが「カーキ フィールド」です。
シンプルなデザイン、高い機能性、優れた視認性など、ミリタリーウォッチに求められる要素を備えつつ、確かな存在感も持ち合わせています。

さらに、文字盤やブレスレットの多様なデザイン、手巻きや自動巻きといった駆動方式、そして価格帯の幅広さなど、豊富な選択肢もカーキ フィールドの魅力となっています。

 

タイメックス

タイメックスは、アメリカを代表する腕時計ブランドのひとつです。
第一次世界大戦の頃から長きにわたり、アメリカ軍に多数のモデルを納入してきました。

なかでも「ミジェット」や「オリジナルキャンパー」は、タイメックスのミリタリーウォッチを象徴する代表作であり、いずれも復刻モデルが高い人気を誇っています。

シンプルなデザインと実用性の高さが共通の魅力ですが、特にオリジナルキャンパーの手巻きモデルは、ミリタリーウォッチならではの特徴を色濃く残しています。電池交換が不要で、故障のリスクも少ない堅牢な構造は、過酷な環境下での使用を想定したものと言えるでしょう。

 

まとめ

ミリタリーウォッチの魅力は、堅牢性や信頼性の高さ、実用的な機能、そしてシンプルで洗練されたデザインにあります。
これらの特性は、戦場という過酷な環境のなかで磨かれてきたものであり、多くの腕時計における機能やデザインにも、大きな影響を与えてきました。

現在では、数多くの一流ブランドがミリタリーウォッチとの関わりを持ち、そうした背景を持つモデルは高い人気を誇っています。
ミリタリーウォッチは、単なる道具ではなく、その背後にある歴史や哲学に魅了された人々にとって、特別な一本となる存在です。