日々の暮らしに欠かせないお金。お小遣いやバイトなど、小さいころから「無駄遣いするな」「お金は大切にしろ」と厳しく育てられてきた人も少なくないでしょう。なかには、いくらお金があっても「減るのが怖い」と使うのをためらってしまう人も……。とある男性の事例をもとに、不安の原因と解決策をみていきましょう。
(※写真はイメージです/PIXTA)
節約は美徳…60歳で〈貯金残高1億円〉の元大手スーパー店長、定年後1年で「いますぐお金を捨てたいです」のワケ【FPの助言】
東山さんの「その後」
FPの話を聞いた東山さんは、長年抱えていたお金の不安がすっと軽くなるのを感じました。自分が思っていたよりもずっと資産に余裕があり、今後も安心して暮らしていけることがわかったからです。
それからしばらくして、東山さんは1度は諦めた「コーヒー」にもう1度向き合ってみることにしました。今回は肩肘をはらず、あくまで趣味として、シンプルなドリッパーとミルを購入。
自宅で豆を挽きながら丁寧に淹れると、お店で飲むコーヒーより味は劣りますが、愛着が湧きおいしく感じます。
「もっと上手になりたい!」と試行錯誤を重ねるうち、しだいにのめり込んでいきました。
いままで節約ばかり考えていた東山さんにとって、自分のためにお金を使うのは新鮮な体験です。
さらに、せっかくならもっと深く学びたいと思い、SNSでみつけたコーヒー教室に通うことに。そこでは、同じ趣味を持ち東山さんと波長の合う人たちと出会うことができました。
いままでほとんど友人との交流がなかった東山さんにとって、新しい人との出会いは少し緊張しましたが、非常に刺激的なものでした。いまでは月に数回、コーヒー好きの仲間たちと集まり、さまざまな豆を試しながら語り合う時間を楽しんでいるそうです。
辻本 剛士
ファイナンシャルプランナー