介護ジャーナリストの太田差惠子氏によると、親の介護に励む子どもには、陥りやすい「」パターンがあるようです。適切なサポートのあり方を考えていきましょう。太田氏と芸人の安藤なつ氏による共著『知っトク介護 弱った親と自分を守るお金とおトクなサービス超入門 第2版』(KADOKAWA)より、詳しく解説します。
(※写真はイメージです/PIXTA)
懸命な介護の末に亡くなった母…介護を担った姉へ“空気の読めない”妹が口にした「最悪のひと言」【安藤なつが介護ジャーナリストに聞く】
きょうだいが「絶縁」するケースも…介護をめぐるトラブル事例
CHECK!
□お金の出入りを見える化
□領収書・レシートの証拠も残す
□お金の出入りを見える化
□領収書・レシートの証拠も残す
安藤:親の介護はなるべくみんなで分担したほうがいいということでしたが、きょうだいで協力して進める場合、「お金」のことでトラブルになったりしませんか?
太田:そうなんです。1人っ子であれば、問題は生じにくいのですが、きょうだいがいるとトラブルになったという話はよく聞きますね。
たとえば、ある姉妹のケースです。母に介護が必要になったので、姉が主たる介護者とキーパーソンの役割を担っていたため、親のお金の管理もしていました。母が亡くなった後、妹から「お母さんのお金がどうしてこんなに少なくなってるの? お姉ちゃん無駄遣いしたんじゃない?」とあらぬ疑いをかけられたそうです。これを聞いて、姉の怒りが爆発するのは当たり前だと思います。最悪のパターンでは姉妹が絶縁するということにもなりかねません。
安藤:せっかくの姉妹なのに。なんともやるせない話ですね。
太田:そのようなトラブルを避けるためにも、「介護家計簿」をつけることをおすすめします。
安藤:介護家計簿ですか?
太田:親の介護のためのお金の出入りの詳細を証拠として残すための記録です。いつ、なんのために、どのお金を使ったのか? また、誰が立て替えたのか? など、領収書やレシートもきちんと保管して、入出金の情報を「見える化」して、「共有」しましょう。
安藤:情報の見える化と共有ですね。
太田:家計簿ノートを付けておいて、実家に保管しておくというのもいいかもしれませんが、家計簿アプリの活用もおすすめです。アプリなら、入出金の入力や情報の確認など、スマホさえあればいつでもどこでもできるので、使い勝手がいいかもしれません。
親の状況を共有するための連絡方法を作っておく
親の介護を、きょうだいや親族などで役割分担をしながら進めているなら、連絡方法は、メールやメッセンジャーアプリの活用がおすすめです。たとえば、グループLINEを作って連絡を取り合えば、親の現状や、状況の変化があったときなど、リアルタイムで共有できます。
親の介護を、きょうだいや親族などで役割分担をしながら進めているなら、連絡方法は、メールやメッセンジャーアプリの活用がおすすめです。たとえば、グループLINEを作って連絡を取り合えば、親の現状や、状況の変化があったときなど、リアルタイムで共有できます。
