「いくらかかるか」ではなく「いくらまでかけられるか」

CHECK!
□介護サービスの利用は予算の範囲内で考えること
□一般的な費用はあくまで目安。実際にかかる費用は人それぞれ

安藤:どんなお金がかかるかを知るために、介護にかかる費用の目安などがあれば知りたいのですが、そういった金額ってわかるものですか?

太田:そうですね。よく介護にかかる費用として登場するのは、生命保険文化センターの調査結果です。1ヵ月にかかる費用の平均は8万3,000円で、在宅介護の場合は4万8,000円。施設介護では12万2,000円です。

出所:『知っトク介護 弱った親と自分を守るお金とおトクなサービス超入門 第2版』(KADOKAWA)より抜粋
[図表2]月々の介護費用は? 出所:『知っトク介護 弱った親と自分を守るお金とおトクなサービス超入門 第2版』(KADOKAWA)より抜粋

安藤:施設だと在宅の2倍以上なんですね~。やっぱり施設はお金がかかるということでしょうか?

太田:そう思う方がほとんどだと思います。ですが、この費用はあくまでも参考程度と考えてください。

その理由は、施設の費用は、家賃にあたる費用も含まれているので在宅介護より費用が増えるのは当然です。たとえばという話になりますが、賃貸物件で家賃を支払いながら、在宅介護サービスの利用をしていた親が、施設へ入居したらどうなるでしょう。特養だとすれば入居するほうが安くなるケースもあります。その人が置かれている状況にもよるので、一概に高い安いとはいえません

安藤:なるほど~。なんだか複雑ですね。

太田:そうなんです。介護には100人いれば、100通りのケースがあり、かかる費用も人それぞれのため、一般的にいわれている金額が必ずしも自分の親に当てはまるとは限りません。介護にかかる費用で大切なことは、「いくらかかるのか?」ではなく「いくらまでかけられるのか?」ということ。

安藤:いくらまでかけられる?

太田:つまり、親の収入や資産でまかなえる範囲で利用できるサービスの利用を考えようということです。下記を確認し、「いくらまでかけられるか」をきちんと精査することができれば、その範囲内でのサービス利用を考えることで、「お金が足りなくなった!」という悲劇を避けることができます。

出所:『知っトク介護 弱った親と自分を守るお金とおトクなサービス超入門 第2版』(KADOKAWA)より抜粋
[図表3]知っておくといい、親のフトコロ情報(例) 出所:『知っトク介護 弱った親と自分を守るお金とおトクなサービス超入門 第2版』(KADOKAWA)より抜粋

安藤 なつ
メイプル超合金
ヘルパー2級(介護職員初任者研修)

太田 差惠子
介護・暮らしジャーナリスト