「人に自慢したくて高額なものを買ってしまった」という経験はありませんか? 『住んでる人の性格は家と土地が教えてくれる』(自由国民社)の著者で、心理カウンセラーの資格を持つ土地家屋調査士、平田真義氏が訪れた“ボロボロの家”の住人は、“ピカピカの高級車”に乗る30代の男性でした……。平田氏の実体験から、高級車やブランド品を所有することが“プラスに働く人”と“そうでない人”の違いを解説します。
「お金持ちかどうか」ではない…高級車やブランド品が“合っている人”と“そうでない人”の決定的な違い
「他人軸」で生きることの“危うさ”
そのような他人軸で生きている限り、自分が満たされることはありません。
その車が大好きで所有しているなら、自分も満たされてハッピーですが、他人に満たしてもらおうとすると、満たされることからどんどん遠のきます。
他人は自分の思い通りにはなりません。全然ちやほやしてくれない人もたくさんいるでしょう。そうなると、今度は手を替え品を替え、「すごい」と言われるために散財したり、無茶なことをして注目を集めたりと、悪い方向に進んでしまうことがあります。
家がボロボロ、身体もヘトヘトなのに高級車だけがある状態は、新しい服でも買うかのように、お金で手っ取り早く承認欲求を満たそうとした結果とも言えます。
その心の奥には、「人に見捨てられたくない」「嫌われるのが怖い」という孤独に対する恐怖が隠れていないでしょうか。
繰り返しますが、それが心の支えになっているとか、好きだから持ちたかったという、自分軸に基づいているならよいのです。
この男性は、ローン返済のために休みもなく働き、きっと乗る時間すらないのに高級車を抱えていたとはいえ、自分で自分の心の問題に向き合って答えを出したところがすごいと思います。自分で気づくのはとても難しいことだと思いますから。
今はきっと自分軸に従って幸せに暮らしているに違いありません。
“ふさわしくない環境”の高級車はただの重荷
高級車には、それにふさわしい保管場所があります。しっかりシャッターが閉まるガレージや、管理の行き届いた貸し駐車場などです。
お隣さんは、高級車が「重荷」だと表現されていました。それは自分の手に余る高級品だという意味もあったと思いますが、不安という面もあったかもしれません。
雨風にさらされる自宅の駐車場に停めていれば劣化が早まりますし、誰かにいたずらされたり、車上荒らしにあったり、最悪の場合、盗まれる可能性だってあります。そういう心理的な負担も大きかったのではないでしょうか。
高級車が適切に保管されていない家があると、近所に住む人たちも気をつかいます。子どもが遊んでいて車にボールをぶつけてしまうかもしれないし、ふざけて傷を付けたりする可能性もあります。
また、こういう車はエンジン音が大きかったりするので、出庫や入庫のたびに騒音に悩まされるかもしれません。高級車と接触して事故を起こしてしまったら、賠償金が高額になるのも心配です。
ふさわしくない場所にある高級車は、近所の人たちにとっても重荷という可能性もあるのです。
平田 真義
土地家屋調査士