iX+(イクタス)』からの転載記事です。
※本稿は、テック系メディアサイト『仕事効率化だけじゃない!AIの活用法
ChatGPTから始まったAI(人工知能)ブームが続いています。
ChatGPTに代表されるLLM(大規模言語モデル)は人間のような、自然な会話が可能です。知りたいことを質問してもいいですし、文章の作成や要約もこなします。あるいはAIと対話をしながら、自分の考えをまとめていくブレインストーミングにも使えます。プログラミングのサポートや、表計算ソフトのデータ整理といった仕事もよく使われる分野です。ネットを探すとAIで仕事効率化という情報、AIが社会をどう変えるのかという未来予測は多数あります。
しかし、AIの活用は、仕事効率化だけではありません。エンタメやコミュニケーションの分野でも、AIは静かに、そして確実に進化を遂げているのです。
思わず笑ってしまうようなユニークなアイデアを実装したサービスに、SocialAIがあります。スマートフォンにアプリをインストールすると、ごくごく普通のソーシャルメディアに見えますが、実は他のユーザーはみんなAI。利用者が文章を投稿すると、AIがさまざまな返答を返してくれます。厳しい意見を言うような設定もできますし、ファンからの熱烈な応援メッセージが殺到するようにして、有名人気分に浸ることも可能です。
また、キャラクターとの会話を楽しむサービスは、Character.AIやTalkie、Synclubなど多数あります。性格や口調を設定したAIとチャットで会話できるというもので、文字だけではなく音声で話せる機能もあります。ゲームやアニメ、あるいは実在の有名人を模倣したキャラクターが人気です。もちろん、本物とはほど遠い存在ですが、足りない分は人間側の想像力で補うことで楽しむことが可能です。
人間同士のコミュニケーションをAIがサポート
ここまで紹介したのは「人間とAIのコミュニケーション」という分野でした。ですが、これ以外にも用途は広がっています。
中国メディアの澎湃(ほうはい)新聞はAIを使ったコミュニケーションサービスには以下の3種類があると指摘しています。
2:人と人とのコミュニケーションをAIがサポート
3:AIとAIのコミュニケーション
人間同士のコミュニケーションをAIがサポートするとは、具体的にどのようなことがサービスなのでしょうか。
中国のコミュニティアプリ「Soul」は、同じ趣味や興味を持つ人々が出会い、コミュニケーションを楽しんで孤独を癒すことを目的としたサービスです。初めて会話する相手でも楽しめる人ならばそれでいいのですが、シャイな人にとってはどうやって会話を続ければいいのか困ってしまう時も。そこで共通の趣味や話題を探して、会話のきっかけを作ってくれるAI会話アシスタント機能を実装しました。確かに、すぐに会話が途切れてしまう人にとっては助け船を出してくれるAIがあれば、神機能となりそうです。
他にもAIが作曲した音楽を合唱する機能など、コミュニケーションを促進させる目的でのAIアプリケーション開発を続けています。まだ関係を構築できていない相手と、ぎこちない会話をしている時に一緒にゲームをしたり、なにか共通の話題を探したり提案できるような友人はありがたい存在ですが、いつもいてくれるわけではありません。AIならば気がねなく同席をお願いできる点が強みです。
直接的な会話の支援以外でも、性格診断やアンケート結果からAIが気の合う友だちや異性を見つけてくれるサービスも世界各国で作られています。恋人や友人が欲しいというニーズは人間の基本的な欲求です。AIとのコミュニケーションで満足する人もいるでしょうし、やはり人間とのコミュニケーションを求めるという人にはマッチングはありがたい機能となりそうです。