大きな経済成長が見込まれる「注目銘柄」とは

そして2つ目は、インド株のインデックスファンドです。

こちらも注目を集める理由は明確で、インドは2023年半ばに中国を抜いて人口が世界1位になったことで話題になりました。

出所:『イラストと図解で丸わかり! 世界一やさしい新NISAの始め方』(KADOKAWA)
[図表3]中国とインド、米国の人口推移予想 出所:『イラストと図解で丸わかり! 世界一やさしい新NISAの始め方』(KADOKAWA)

[図表3]は、国連のデータを基にした中国とインド、米国の人口推移予想です。

中国は以前から、人口が増えすぎたことにより飢饉など様々な問題が発生していたため、夫婦がもうける子どもの数を1人に制限する一人っ子政策を実施しました。

その結果、人口抑制の効果はあったものの、今度は少子化に歯止めがかからなくなり中国は将来的に急速な高齢化と人口減少が予想されています。

すでに足元の人口は約14億人でピークが見えており、その後は急激に減少し、2100年には8億人を下回る見通しとなっています。

一方、代わりに台頭するのがインドで、今後も人口は増え続けて、2060年頃が約17億人でピークと言われています。

ちなみに米国は、移民の影響で人口が増加する珍しい先進国ですが、それでも人口は約3億~4億人程度の推移となる予想なので、やはり中国やインドの人口の多さが分かります。

また、インドは単に人口が多いだけでなく、生産年齢人口の割合で見ても魅力があります。生産年齢人は、労働力となる年齢、具体的には15~64歳の人口ですが、インドはまだ若年層が多いことから、総人口のうち、生産年齢人口が占める割合のピークが2032年の約70%と言われています。

つまりインドは2032年には、全人口の7割が15~64歳の働く世代であることから、経済成長を後押しする要因となり、株価の上昇も期待できます。

米国のS&P500を上回るリターン…しかし「注意点」も

では、気になるインド株の過去のパフォーマンスですが、近年は米国のS&P500を上回るリターンを発揮しています。

出所:『イラストと図解で丸わかり! 世界一やさしい新NISAの始め方』(KADOKAWA)
[図表4]S&P500とNifty50の比較 出所:『イラストと図解で丸わかり! 世界一やさしい新NISAの始め方』(KADOKAWA)

[図表4]はS&P500と、インドの代表的な株価指数Nifty50を過去約25年で比較したグラフですが、S&P500は約4倍に対し、Nifty50は約24倍にもなっています。

ただ悩ましい点として、新興国は政治・経済・社会情勢が不安定なため、いわゆるカントリーリスクが高く、株価の変動も比較的大きい傾向があります。

また為替リスクにも懸念があり、インド株であればインドルピー建ての資産を保有することになるので、新興国特有の政情不安から円高ルピー安が進んだ際は、為替差損が発生してしまいます。

そのため、新NISAにおけるメインの投資対策として、インド株を選ぶのはなかなか悩ましいかと思います。
なので、全世界株もしくは米国株式のインデックスファンドを積立しつつ、インド株は少額で積立を検討するのもいいでしょう。

いわゆる「コア・サテライト」戦略で、運用資産の約70~80%をコア(中核)、残りの20~30%程度をサテライト(衛星)に配分するイメージです、その上で、コア部分は長期かつ安定的に運用し、サテライト部分はコア部分よりも高いリターンを求めて積極的に運用するという考えですね。

最後に、インド株のインデックスファンドですが、こちらも多くの商品が誕生しています。

iFreeNEXTインド株インデックス(信託報酬 年0.473%)やSBI・iシェアーズ・インド株式インデックス・ファンド(信託報酬 年0.4638%)などが話題を呼んでいますね。

ただし、インド株のインデックスファンドは現状、成長投資枠でしか選べないので、覚えておきましょう。
 

小林 亮平
資産運用YouTuber