「資産運用は長期投資が有利」とはいえ、実際に長期投資を実行するのは簡単ではありません。実際、投資信託の平均保有期間は約3年というデータもあるそう。そこで、チャンネル登録者数70万人超の資産運用YouTuber小林亮平氏の著書『イラストと図解で丸わかり! 世界一やさしい新NISAの始め方』(KADOKAWA)より、まずは「真似してはいけない新NISAの運用方法」を紹介します。
メガバンク出身YouTuberが「絶対に真似してはいけない」と警告する〈新NISA〉の運用方法とは
新NISAの“あまり話題にならない”デメリット
利益に税金がかかる特定口座で、A銘柄とB銘柄を運用していたとします。
それぞれを売却した際、A銘柄は40万円の利益、B銘柄は20万円の損失が発生しました。この場合、2つの銘柄の損益を合算した際の利益20万円にのみ課税することができるため、その分だけ税金を減らすことができます。
これを損益通算と言いますが、特定口座(源泉徴収あり)なら、証券会社が合計の損益を自動で計算し、すでに支払った税金も戻ってきます。
しかし残念なことに、損益通算はNISA口座では利用できません。
なぜなら、NISA口座において利益はなかったものとして非課税になりますが、損失もなかったものとしてみなされるからです。
そのため、今度は特定口座で運用しているA銘柄、新NISA口座で運用しているB銘柄があったとします。
先ほどと同様に、A銘柄は40万円の利益、B銘柄は20万円の損失が発生すると、2つの銘柄で損益通算はできず、A銘柄の利益40万円がそのまま課税対象となります。
両銘柄とも特定口座で運用していれば、損益通算できて税金を減らすことができました。
しかし片方の銘柄を新NISA口座で運用していたばかりに損益通算ができなかったので、新NISA口座で損失が出ると逆にデメリットになってしまうのです。
ただし、ここまでお話ししてきた通り、新NISAでの運用は長期での値上がり益を目指すのが基本方針であり、インデックス投資で長く運用していれば利益は期待できます。
なので、新NISA口座で損失が出ることは、あまり心配しすぎなくてもいいでしょう。
しかし、NISA制度はけっしてメリットばかりではなく、このようなデメリットがあることは覚えておきましょう。
小林亮平
資産運用YouTuber