土地家屋調査士としてさまざまな地域の住宅地を歩いてきた平田真義氏が、自身の経験から「ゴミ屋敷になりやすい土地の形状」と「引っ越し前にチェックしておきたい物件以外のポイント」を解説します。同氏の著書『住んでる人の性格は家と土地が教えてくれる』(自由国民社)よりみていきましょう。
引っ越し先の「住みやすさ」が一目瞭然…物件以外に確認しておきたい“たったひとつ”の場所【土地家屋調査士の助言】
その地域の“住みやすさ”がわかる!意外なチェックポイント
ゴミ屋敷は論外ですが、住人の家庭ゴミの出し方により、地域の住みやすさは随分と変わります。
「引っ越し先では、ゴミ捨て場を見よ」と言われるくらい、近隣に住む人のモラルが表れる場所です。
自宅の敷地はきれいにしていても、公共の場所を汚すのは平気。そんな人だらけだったらどうでしょう。自分さえよければいいという自己中心的な人と共存するのは難しいものです。
「割れ窓理論」から考えれば、自己中心的な人が数人いるだけで、ゴミ捨て場はどんどん荒れていきそうです。
測量や境界確定の仕事で訪問した先で、近隣の方への不平不満を聞かされることがしばしばあります。
不平不満の中でも「ゴミ出しのルール」についての愚痴は本当に多いような気がします。意外とみんな、他の人のゴミ出しを見ているのですね。
私自身も、いろいろな地域の住宅街を歩いて、地域のゴミ捨て場を数え切れないほど見てきました。
きれいな集積所もあれば、ゴミ出しのルールが守られておらず、燃えるゴミ、燃えないゴミ、ひどいときには粗大ゴミまでごちゃごちゃのカオスな状態の集積所もありました。
以前、「ゴミ出しのルールを守れ!」と書かれた張り紙に、ゴミ出しをしている人の顔にモザイクがかかった画像を数枚貼りつけてあるものを見たことがあります。おそらく防犯カメラからの画像だと思われます。見る人が見れば、誰だかすぐにわかってしまうでしょう。
こういう地域は、ある意味管理されているので規律は守られるのでしょうが、いつも監視されていると思うと、なんだか息が詰まりそうですね。
購入する物件を選んでいるときや、引っ越し先を下見するときは、念のためにゴミ出しのルールや状況も確認しておくといいですね。
平田 真義
土地家屋調査士