〝部屋の顔〟の印象は変えられない

構造や立地の問題だけでなく、印象の部分も大切です。玄関を開けて中に入った瞬間に受ける印象は軽視すべきではありません。照明やインテリアなどを使えばなんとでもなると思っている人もいるかもしれませんが、玄関を開けて中に入ったときの印象は基本的に変えられません。それなりに工夫はできても、限度があると考えておいたほうがいいでしょう。


できれば避けたいのは、玄関ドアを開けると、リビングまでが丸見えになってしまうレイアウトです。暖簾のようなものを付けて目隠しをするなどの工夫はできるにしても、玄関と次の部屋のあいだにドアがあったほうがいいのは確かです。目隠しになるだけでなく、外廊下の音が入ってきにくくなり、暖房や冷房の効率も良くなります。


意外と知られていないことですが、ワンルームと1Kで、部屋の広さやレイアウトがまったく変わらないことがあります。何が違うかといえば、玄関横のキッチンとリビングのあいだにドアがあるかどうかということ。ドアがあれば、キッチンが独立しているとみなされるわけです。それだけでワンルームが1Kになり、家賃があがるのは納得できない、と考える人もいるでしょう。しかし、このドアが重宝されるので、どちらを選ぶかはよく考えたいところです。


玄関から入ってすぐにトイレがあるレイアウトになっている部屋もあります。こうした場合も気分的にはあまり良くないと思います。ワンルームや1Kでは大抵の物件がそうなので仕方ありませんが、1DK以上の物件であれば考えてみてもいいかもしれません。お客さんが来たとき、リビングのドアを閉めて、距離感をもって用を足せるのはいいにしても、トイレのたびに玄関口まで行くことには抵抗を感じる人もいるようです。

こう
賃貸オーナー