快適な部屋で過ごしたいですよね。勤務医で賃貸オーナーのこう氏は著書『ひとり暮らし大全 自分空間を整えれば人生は好転する!』で理想の部屋にまつわるヒントを伝えています。どんなことを知ればいいのでしょうか? 本書から紹介します。
視覚効果と家具の配置
広さのほかに「視覚効果」も考えておく必要があります。壁紙の色でいえば、とにかく無難なのが白です。お洒落なイメージを出すために濃いグレーなどの壁紙を使っている部屋もあるものの、それだけでも部屋はずいぶん狭く感じられます。壁紙が白だと、部屋が広く見え、解放感が生まれます。グレーであっても〝薄いグレー〟であるなら、視覚効果は白に近くなります。
壁の色は部屋全体の雰囲気や印象を変えるので、好きな色を選ぶよりも、白や薄めの色を選んでおくのがおススメです。フローリングも最近は明るい色のものが増えてきました。それもやはり解放感と関係しているのでしょう。ダーク系のフローリングは傷が目立ちやすく、修繕しても誤魔化しにくい。退去時に大家さんとモメないためにも、明るい色のフローリングを選んだほうが無難です。
私の専門である「脳」の観点からいえば、目に入ってくる情報が多いほど脳は疲れやすいことがわかっています。デイトレーダーのようにパソコンを複数台並べていると、脳疲労が起きやすく、長い時間、集中を続けるのが難しくなります。そういう意味でいっても目移りしにくい背景やレイアウトにすることが大切です。
デスクなどの主要家具の配置もよく考える必要があります。デスクの向きによっても、集中できるか、落ち着けるかが変わってきます。窓や部屋の入り口との位置関係に左右されるところも大きいといえます。窓に向き合うか、窓が右側か左側にくるようにするか。最初から決めつけてしまうのではなく、それぞれ試してから決めるのもいいでしょう。
デスクの配置によって他の家具の置き方も変わってくるので、家具などを最初からすべて揃えてしまうことにはリスクがあります。その意味でいっても、最初は最小限の家具から生活をスタートさせるのもいいでしょう。ミニマリストになることを勧めるわけではありません。しかし、最初からなんでも揃えすぎると〝いらないモノ〟や〝置き場所に困るモノ〟が出てきます。
家具などにしても、あまり慌てず、必要に応じてレイアウトを考えながら配置していくのがいいのではないかと思います。