快適な部屋で過ごしたいですよね。勤務医で賃貸オーナーのこう氏は著書『ひとり暮らし大全 自分空間を整えれば人生は好転する!』で理想の部屋にまつわるヒントを伝えています。どんなことを知ればいいのでしょうか? 本書から紹介します。
理想の部屋をつくるメリット
うまく空間分けができているか? 雑然とした部屋になっていないか? それができているかどうかで毎日が変わる、生き方が左右される、と言っていいのではないかと思います。整った部屋にできていれば、自己肯定感をもつことにもつながります。
私の場合、もともと片付けがかなり苦手で、学生時代に暮らしていた部屋などはずいぶん散らかっていました。しかし、部屋を片付けることを意識するようになり、理想の部屋と現実の部屋のギャップが埋まってくると、「自分にもやれるんだ!」という達成感を得られました。その積み重ねが成功体験になり、自己肯定感になっていきます。
私は認知症の専門医資格も取っています。経験的にいって、部屋の掃除などをしたがらない人は認知機能が低くなりやすい傾向が見られます。「遂行機能」といいますが、ルーティンなどを決めてそのとおりに掃除などができている人は認知機能が落ちにくいものです。そういう意味でも20代、30代のうちから常に部屋をキレイにする習慣をつけておくことは大切です。
何かの習慣化ができると、他のことでも習慣化できるのではないかと思えるものなので、前向きになりやすい。ポジティブ思考も促進されます。そもそも空間が整理されていると、心理的な余裕が生まれやすいものです。ディスカウントストアのドン・キホーテのようにさまざまな商品がすきまなく積み上げられている「圧縮陳列」が好きな人もいるでしょう。お店ならよくても生活空間となれば話は別です。部屋がドン・キホーテのようになっていれば、普通は圧迫感を受けて、心理的な余裕をなくします。
余計なものが目に入ってこない整然とした部屋のほうが視覚的なストレスが減って脳に負担がかからないものなのです。空間をうまく分けられたなら、それぞれのタスクの進行はスムーズになります。焦燥感や不安感がなければ仕事上のストレスにも冷静に対処できるようになります。
そうなってくれば、寝つきもよくなり、眠りの質も向上します。翌日の目覚めがよければ、またパフォーマンスがあがります。理想の部屋が導いてくれるのは、そういう好循環です。
こう
賃貸オーナー