テレワークが増えて部屋の広さに対する考え方に変化が!

コロナ禍では多くの変化が起きました。生活様式だけでなく部屋に対する意識もそうです。特に、テレワークが増えて在宅時間が長くなったことから〝居心地の良さ〟や〝仕事のしやすさ〟を多くの人が求めるようになりました。そんな社会の変化が発端となり、部屋の広さに対する考え方も変わりました。


コロナ前は20平米を切っている部屋(リビングは6〜8畳以下)でも入居希望者はたくさんいたのに、コロナ後は25平米(リビングはおよそ8〜11畳)くらいないと入居希望者が見つかりにくくなりました。家賃が上がることになっても25平米くらいの広さを求めるようになった、ということです。


不動産情報サイトのアンケートでも「部屋が広いほうが苦痛なくテレワークができる」という声が多く寄せられていました。部屋では寝られさえすればいいというイメージをもっていた若い会社員も、はっきりと意識を変えていたわけです。さらに、コロナ禍では23区内にこだわらず郊外で広い部屋を探す人も増えました。郊外なら家賃も下がるので、通勤時間よりも快適さを優先していたのでしょう。


コロナが落ち着いてきてから23区内の賃貸物件の人気は戻ってきましたが、部屋に快適さを求める意識がなくなったわけではありません。自分の部屋をどうするかということを以前よりも真剣に考えるようになった人が増えてきたのは間違いないはずです。「早く帰りたい」と思えるだけでも毎日の生活はまったく違うものになってきます。そういう日々を生み出してくれる〝理想の部屋〟を誰もが求めるようになったのです。


ノートパソコンを使ってカフェなどで仕事をするのを日課にしている人も増えましたが、効率面で考えればそれも疑問です。必要になりそうな資料は持ち込むようにしていても、実際に作業を続けていれば「あの資料も必要だったな」となるケースも出てくるはずです。カフェで仕事をするのは、落ち着く、気分転換になる、コーヒーがおいしい……などの理由があるのでしょう。ですが、結局のところ、自分の部屋を理想的なものにできていないためにそうしているわけです。


カフェに行けばお金もかかります。そんなムダを省く意味でも「仕事も部屋でやりたい」と思える環境づくりが大切になります。どうすれば自分の部屋をより快適にできるかを考えることは、リモートワークの有無とは関係なく、誰にとっても大切なテーマになります。


東京23区では専有面積の最低限を定める「ワンルームマンション規制」が敷かれるようになったので、今後は狭いワンルームマンションを建てるのが難しくなります。その分、平均家賃が上がることになるので、借りた部屋をできるだけ快適な空間にしなければ、とてももったいないことです。〝今の部屋は自分にとって理想的な空間になっているか〟〝これから住むことになる部屋を理想的な空間にできるのか〟そういったことをこれまで以上に考えるようになるのが自然な流れです。