国立社会保障・人口問題研究所の「人口統計資料集」によると、2020(令和2)年の「50歳時の未婚率」は男性が28.3%、女性が17.8%で、年々増加傾向が見られます。今後、結婚をする人が増えなければ、ミドルシニア未婚者の単身世帯の数は、今後多くなることが想定されます。本稿では具体的な調査結果を踏まえて、ミドルシニア未婚者のキャリアに対する意識について、日本総合研究所創発戦略センタースペシャリストの小島明子氏が解説します。
未婚女性より深刻、50歳で未婚男性の「孤独」...定年後、死ぬまで働き続ける「結婚していないミドルシニア」の切ない事情【CFPが解説】
脱エイジズム社会で、孤独を予防する
2025年4月には、「65歳までの雇用継続」に関する経過措置が終了し、希望者全員への対応が求められます。企業は、「65歳までの定年引き上げ」「定年制の廃止」「65歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度)の導入」のいずれかを導入することが求められます。さらに、単に物理的に働き続けられるということではなく、年齢を問わず、いままでのスキルや経験を活かせる働き続けられることが、働く意欲を活かすうえでは大切だと考えます。
本稿では、ミドルシニアの未婚者に焦点を当てましたが、特に男性は女性に比べて、仕事がなくなってしまうと、人間関係が希薄化してしまう可能性があることが懸念されます。働きたい人がいくつになっても働き続けられる脱エイジズム社会を作っていくことが、間接的には孤独・孤立の予防にもつながるのではないでしょうか。
小島 明子
日本総合研究所創発戦略センター
スペシャリスト