空間分けをしたい場所に壁を設置する

スリット壁や間仕切り壁を設置する場所は、どこでも良いわけではありません。基本的には、本来、間仕切る壁があるべきところ、つまり、部屋と部屋の間になります。

出典:『狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール』(彩図社)より抜粋
[図表2]約16畳のLDKに約4畳の和室がついた間取りの様子 出典:『狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール』(彩図社)より抜粋

[図表2]は、約16畳のLDKに約4畳の和室がついた間取りの様子です。

出典:『狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール』(彩図社)より抜粋
[図表3]大きな間仕切りがなく広々としている様子 出典:『狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール』(彩図社)より抜粋

リビング・ダイニング・キッチンと和室、それぞれに大きな間仕切りがなく、大変広々とした空間になっています。([図表3])

しかし、ソファなどの大きな家具をレイアウトすることは、大変難しい部屋になっています。なぜなら、壁が少ないため、ソファを設置できる壁が、図のような位置に限定されてしまうからです。

そして、このソファの位置からテレビを見ることは、身体が歪みやすく、かなりのストレスになります。

また、リビング収納も、リビングからその様子が丸見えになっていました。

きれいなコレクションなどの「見せる収納」は、そのままでも良いですが、リビング周りの雑貨など、「隠す収納」の場合は、リビングからその様子が丸見えになることはあまり好ましくありません。

出典:『狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール』(彩図社)より抜粋
[図表4]突っ張り式のスリット間仕切り壁を設置した様子 出典:『狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール』(彩図社)より抜粋

そこで、[図表4]のように突っ張り式のスリット間仕切り壁を、和室とリビングの間に、そして、リビング収納の横にも設置してみました。

出典:『狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール』(彩図社)より抜粋
[図表5]ソファをレイアウトした様子 出典:『狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール』(彩図社)より抜粋

簡易的な壁ですが、このスリット壁ができたことで、[図表5]のように、ソファをレイアウトすることができ、テレビが見やすくなりました。

また、丸見えだったリビング収納を隠すことでスッキリ片付いた印象にすることができます。

出典:『狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール』(彩図社)より抜粋
[図表6]丸見えだったリビング収納を隠した様子 出典:『狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール』(彩図社)より抜粋

工夫次第でフレキシブルな壁に変身!

このスリット壁ですが、工夫次第で、さらにフレキシブルな壁に変身させることができます。例えば、スリット壁に絵や植栽を飾ることもできます。また、スリットの角度を変えてレイアウトすれば、立つ位置によっては部屋の様子が見えにくくなるなどの目隠し壁にすることができます。

このように、簡易なスリット壁や、突っ張り式の間仕切りを使えば、壁が少ない部屋でも、上手に家具をレイアウトすることができます。

しかま のりこ
COLLINO一級建築士事務所
一級建築士/模様替えアドバイザー