ペットを飼っている家庭では、その匂いで悩むことがあります。しかし、効率よく換気を行うことのできる家具配置にすることで、狭い部屋でもにおいの問題を解決できるそうです。一級建築士/模様替えアドバイザーのしかまのりこ氏の著書『狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール』(彩図社)より、3種類の換気と有効なレイアウトについて、詳しくみていきましょう。
ペット臭を発生させる家具は、給気口のそばを避けてレイアウト
[図表1]は、戸建てリビング・ダイニングの間取りです。こちらの住宅では、第3種換気を採用していました。
具体的には、[図表1]のように、リビング・ダイニングの給気口から新鮮な空気を取り入れ、洗面室に設置された24時間換気扇で、汚れた室内の空気を屋外に排出するという方法です。
この給気口から洗面室の24時間換気扇までをつないだラインが、「空気の流れ道」です。この「空気の流れ道」に沿って、臭いは換気されます。
しかし、間取り図のように、給気口のそばにペットゲージやペットトイレなどがレイアウトされていると、トイレ臭やペットの毛などが「空気の流れ道」(矢印)にのって、洗面室に向かって引っ張られ、食事中のダイニングやキッチンを直撃してしまいます。
ペットの糞尿による臭いが食事中に気になるのは、このレイアウトに原因があったのです。
そのため、ペットゲージやペットトイレなどの悪臭の発生する家具は、この目に見えない「空気の流れ道」を考えて、給気口のそばを避けて設置し、臭いの拡散をできるだけ抑えることが大切です。
そこで、[図表2]のように、ペットゲージやペットトイレを給気口から離し、なるべく洗面室に設置された24時間換気扇の近くに移動してみました。
給気口からペットの家具を離したことで、ペット臭やペットの毛などが「空気の流れ道」に沿ってダイニングを直撃することがなくなり、臭いに悩まされることが少なくなりました。
さらに臭いを抑えたい場合は、[図表3]のように、ペットトイレだけでも24時間換気扇の近くに移動することをお勧めいたします。ペットトイレが換気扇の近くにあることで、より、臭いの拡散を防ぐことができます。
換気システムのある住宅では、目に見えない空気の流れが常にあります。
ペットのいるご家庭では、この目に見えない空気の流れを考えて、家具をレイアウトすれば、ペット臭などの悪臭に悩まされることが、少なくなります。
しかま のりこ
COLLINO一級建築士事務所
一級建築士/模様替えアドバイザー