マンガ家の影木栄貴(えいき・えいき)さんが50歳にして結婚するまでの道のりを赤裸々に綴った初のエッセイ本『50婚 影木、おひとり様やめるってよ』(KADOKAWA)が5月に発売されました。1987年から1989年に内閣総理大臣を務めた故・竹下登さんの孫、ミュージシャンでタレントのDAIGOさんの姉で、最近は北川景子さんの義姉という肩書き(?)も加わった影木さん。前編に引き続き、影木さんに婚活や結婚生活、お金についてお話を伺いました。
50歳で別居婚を選んだワケ
――婚活の様子もユーモアたっぷりに綴られていますが、影木さんが婚活する上で一番大事にしたことはどんなことですか?
影木栄貴さん(影木):条件は考えていなかったです。むしろ相性を一番に考えていました。要するに、老後を一緒に過ごして添い遂げられるかどうかを大事にしていました。
結局長続きしたのは全員バツイチの方というのも不思議なのですが、初婚の男性は結婚にピンときていない感じの方が多かった気がします。私と同じテーマを持っていた男性がバツイチが多かった。やっぱり1回結婚している人は2回目のハードルはちょっと低くなるのかなと思ったし、誰かと一緒にいることに慣れている人が多い気がしました。
――中年と言われる年代、特に40代以降になると男女ともに仕事や家族、譲れない価値観、生活リズムなど基盤というか、お互い捨てられないものが多いから結婚するのは難しいのでは? と思っていたのですが、「別居婚」を選択されたと聞いて「それもアリなんだな」と思いました。
影木:私は「実家で暮らして父の最期を看取る」と決意していたので、別居婚を前提に婚活をしていました。それと、私は精神的に浮き沈みが激しいので、仕事に影響が出る可能性があったので別居がいいなと。捨てられないものがあるうちは別居しておいて、時期を見て一緒に住んでもいいのかなと思います。
やっぱり、50年間それぞれのスタイルで暮らしてきた大人同士がいきなり同居というのは厳しい気がします。結婚しないのは自由でいたいからという人たちも多いと思うので、自分の居場所や自由を残しつつ、じわじわと家族になっていけばいいのでは? と思うんですよね。
そういう意味では50代以降の婚活は恋愛よりもアリだと思います。やっぱり、恋愛的な「好き」って3年くらいで落ち着いてくるものだから、老後を添い遂げると考えると家族愛的な愛のほうがいいんじゃないかなと思いました。