前回記事では、「なぜか人が離れていく人」が無意識に発している“ひと言” を紹介しました。例えば「疲れた」「ダルい」等のマイナスの言葉は印象が良くありません。特定の誰かに向けた言葉でなくとも、聞こえた側はその場にいたくなくなります。普段何気なく発している言葉には、想像以上の影響力があるのです。吉井奈々氏の著書『未熟なまま輝く』(KADOKAWA)より一部を抜粋し、今回は「人生をイージーモードにする言葉」を見ていきましょう。
「いつも幸せそうな人」が使っている 人生をイージーモードに変える“何気ないひと言”【コミュニケーション術】
【前回記事】「なぜか人が離れていく人」が無意識に発している“ひと言”
人生をイージーモードに変える「プラスの口癖」
人生をイージーモードに変えるプラスの口癖は「嬉しい・楽しい・大好き・幸せ」この4つのキーワードです。
使い方は、相手の目を見なくてOK、相手に聞こえないくらいの小声でOK、文章でなく単語で呟くだけでOK。「え? それでいいの?」と思ったあなた。いいんです。なぜならこれは「伝える」のではなく「口癖」なんだから。思わず気持ちがあふれ出た、気持ちが漏れちゃった、くらいが最高なんです。
それがスピーチや記事、目上の人に感謝を伝えるとき、アルバイトや社会に出てからの会社の人間関係といった語彙力が必要な場面なら、話は変わりますが、今あなたが変えたいのは「日常」。
家族やパートナー、友人と家にいるとき、食事をしているときは語彙力よりも口癖や呟きを変えるほうが周りからの印象を変えるには効果的なんです。
家族が何かを手伝ってくれたときに「わぁ、嬉しい」とか「助かったよ」と呟く。お出かけしたときに歩きながら「楽しみだな」「楽しいな」「楽しかった」と呟く。ご飯を食べてるときに「私、〇〇大好きなんだ」「美味しい」と呟く。ソファに座ったときに「あー幸せ」「癒される」と呟く。
ね、そんなに難しくないでしょ? 1日ひとつでいいから、プラスの口癖で呟いてみてください。そうすると、自分もプラスの気持ちを深く味わうことができるようになるし、周りからの印象も変わってきます。
あなたが楽しいと言ってくれた場所ならまた連れて行きたいと思われるし、あなたが美味しいと言ってくれたものならまた食べさせたいと思われます。
人は喜んでくれる人には、もっと喜ばせたいと思います。人は幸せそうな人と一緒にいたいし、繋がりたい。あなたのプラスの口癖は優しい世界へのパスポートなんです。
自分の心を癒やす「お守り」としての言葉
次の言葉は、幸せにしてくれる言葉のほんの一部です。幸せそうな人が使う口癖を日常で意識してみましょう。
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<幸せにしてくれる言葉>
嬉しいな~/私〇〇が大好き/あ~幸せ/美味しい/私えらい!/簡単 簡単/私って運がいい/ワクワクする/なんとかなる/素敵/楽しいな~/愛されてるな~/癒される♪/集中できた!/私スゴい!/なんか良いことありそう/余裕 余裕/大丈夫 大丈夫/そんな日もある/チャンス!
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私たちの心は言葉で簡単に変化してしまいます。
嫌な言葉をぶつけられると心は傷つきます。嬉しい言葉を言われると心は癒されます。
だからこそ、お守りのような言葉を持ち歩くことで何か嫌なことがあったときもリカバリーできます。
私たちの体は食べたもので作られます。私たちの心は聞いた言葉で作られます。私たちの未来は自分の話す言葉で作られます。
言葉はあなたの運命も変える魔法のパスポートなんです。
吉井 奈々
一般社団法人JCMA代表理事、コミュニケーションと心の専門家
企業や教育機関でコミュニケーション講師として活躍。15年間にわたって約7万人に「相手も自分も大切にするコミュニケーション」を伝えている。出生時に割りあてられた性別は男性だったが、性別適合手術を受けて戸籍を女性に変更し、現在は男性と結婚。
筑波大学や早稲田大学をはじめとする多くの大学で講師を務め、全国200校を超える中学校・高校で、生徒・教員・PTA向けの講演を行っている。NHK・Eテレの教育番組や日本テレビ系列の人生相談番組など、メディア出演も多い。