60歳でモデルデビュー、73歳で自分のお店を持つ、62歳で人生のパートナーに出会う……など、自分らしい生き方をしている60歳以上の女性51人をインタビューした『60歳からの生き方図鑑 いくつになっても「今がしあわせ」と言える女性でありたい』(百田なつき編著・グラフィック社)。本書の中から、「自分らしく生きている女性」を一部抜粋・編集してご紹介します。第5回目は、ときおりグレイヘアモデルをすることもあり、多くの趣味を持つ安久井千穂子さんにスポットを当てます。
「コムデギャルソンを素敵に着こなせる80代に」体力の衰えを感じるようになったからこそ“孤独”を愛する老人になりたいと願う76歳女性【60歳からの生き方図鑑】
父を失って苦しんでいた母の姿
――人生でいちばんつらかったことを教えてください。
父が59歳で他界したときです。頼りになる最高に素敵な父だったので、ショックが大きかったです。しばらく母は悲しみを乗り越えることができずに苦しんでいたのですが、なにも助けてあげることができませんでした。これは、自分の人生でもいちばん悔いていることでもあります。
いまだに母にもっと寄り添って、そのつらさを理解してあげることができたのではないかと思ってしまいます。
4年前に夫が大動脈瘤の手術を3回も受けたときも不安でした。
コロナ禍で普段とは違う環境でしたが、3回とも乗り越えてくれました。術後は今まで以上に一緒にでかけることが増えました。夫婦仲がよくなったので、結果オーライといえます。
コムデギャルソンを素敵に着こなせる80代になりたい
――夢や目標を教えてください。
今はたくさんの人に囲まれて生活していますが、だんだん体も思うように動かなくなっていくはず。だから、10年後は孤独を愛するようになりたいなと思っています。孤独に強い老人になること、これが目標です。
またファッションは気分が変わるので大事だと思っています。「80歳になったらコムデギャルソンが着たいな」と思って、76歳の誕生日に夫からギャルソンの靴とジャケットを買ってもらったんです。
ギャルソンは若いときよく着ていましたが、80歳になったらもっと違う着方ができるかもと思ったんです。これからの人生、素敵にギャルソンが着られる女性でいたいなと思います。