自分ばかり頑張っている気がする。頑張っているのにうまくいかない。何をやっても裏目に出る…。こうした負のスパイラルを抜け出すには、どうすればよいのでしょうか? 60代現役女性管理職・いくみ氏の著書『女性管理職が悩んだ時に読む本』(2023年、日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、多くのビジネスパーソンが抱える「悩み」について、その向き合い方を紹介します。
仕事で「こんなに頑張っているのに」「なんで私ばかり」…何をやってもうまくいかない時、どうすればいい?【ワーママ歴31年/60代現役女性管理職が回答】
【悩み①】何をやってもうまくいかない…
仕事がうまくいかない時はしばらくその時期が続いたりします。何をやっても裏目に出てしまったり、同じアンラッキーが度重なってしまったり。負のスパイラルにはまると、「もうどうにもしようがない」と絶望しそうになるもの。「なんで、私ばっかり…」悲嘆に暮れそうになることもしばしばです。
■向き合い方:うまくいかない時こそ「ありがとう」
そんな時に! 私がやっているとっておきの方法をお伝えします。うまくいかない時こそ、逆に徹底的に感謝するのです。クライアントだったり周囲の仲間だったり会社や仕事そのものだったり。
卑屈に捉えてしまったら自分に負けるようなもの。「頑張ってきたのに…」って意地を張ったところで、所詮1人でできることなんて限りがあるし、自力だけでなく必ず他力に助けてもらっているのだから、今があるに違いないのです。たとえうまくいっていない状況が続いたとしてもそんなふうにすべての他力に感謝しておけば、やがて次の運気がめぐってくることでしょう。
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<ワンポイント>
自分の苦しい気持ちをさておき「感謝する」のは、一見きつそうに思えるけれど「ありがとう」と心の中で唱えるだけでも不思議と落ち着けるもの。何よりも、自分だけが頑張っているのではなく、周りに支えてもらってこそ今があるのだということに気づくことができて、「ならば、その恩に報いよう」と気持ちを切り替えられるようになります。
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【悩み②】気負いが空回りしてしまう…
「管理職たるもの、なんとしても頑張らねば!」つい、鼻息荒く気負ってしまいそうになります。それはそれで全然OKですが、気負い過ぎてふと気付くと空回りしてしまっていることも。言い換えると「自分ばっかり頑張っている」「自分はこんなに懸命なのに」と自分本位の思考に陥ってしまうこと。前項目でも触れましたが「自力」にばかり囚われていると上手くいきません。
■向き合い方:気負いは「前面に出す」のではなく「脇に回って発揮する」
主役は部下さんたち、管理職はそのためのサポーター。いわゆる縁の下の力持ちに徹する。力持ちですから当然気負い十分でかまいません。ただ、それを前面に出すのか脇に回って発揮するのか。
管理職が「私が私が」と主役を張ろうとする組織はうまくいかないものですし、部下さんたちも誰もついてきたいなどと思えません。成功した時は部下さんたちの貢献を称えて、失敗に転じてしまったのならば上司が反省する。
空回りを防ぐコツは上司としての「気負い」のパワーを「素直力」に振り向けることです。お恥ずかしながら、しょっちゅう空回りをやらかしてきた私。そのたびに素直力の大切さを実感しています。
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<ワンポイント>
「空回ってしまう」時は、負の連鎖にはまっている状況でもある。もちろん、ずーっとそれが続くわけではありませんから、押してばかりだと思うのなら引いてみたり、逆にそれで後手になってしまうのであれば、再度押し直したり、「空回る原因がどこにあるのか?」を自分なりに振り返って改善していけば、やがてプラスへと転じていくことでしょう。
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いくみ@女性管理職&ブロガー
女性管理職専門家・ビジネス書著者
1962年神奈川県生まれ。会社員歴39年、ワーキングマザー歴31年(2024年6月時点)。中小企業の事務員から始まり、女性管理職に憧れるも結婚を機に退職。出産、子育て、夫の転勤などによって非正規雇用の期間を経て40歳で正社員復帰。現在は上場企業で管理職歴19年。定年再雇用後も管理職を継続しており、部下の延べ人数は200名以上。
これまでの経験を背中にいる人たちに伝えたいと一念発起し、2017年からブログ「ねーさんらいふ」を運営。女性管理職の日常をメインに発信し、2024年6月時点で2,200記事を突破。公式X(旧Twitter)では、読者が元気になる朝ツイートを毎朝投稿、約1.6万フォロワー。