20代の頃の服を工夫して着こなし、素材の味を活かした料理を楽しむなど、そのライフスタイルが多くの人の支持を集めている美術エッセイストの小笠原洋子さん。東京郊外の3DKの団地で暮らす小笠原さんの住まいも心地よく整えられています。小笠原さんの著書『財布は軽く、暮らしはシンプル。74歳、心はいつもエレガンス』(扶桑社)から、内容を一部抜粋しご紹介します。
「家具はもちろん服、文具、小物類、調理器具も家族の遺品」東京郊外の3DK団地で暮らす74歳、心地よい住まいの秘密
・兄の遺品
遺品中の大物は、なんと言っても兄が遺した家具です。タンス二棹と小さめの棚などです。とくに、タンスはありがたい収納家具でした。
そして書斎にある大きめの机と椅子です。私はまともな机を持っておらず、食卓と併用していました。幅120センチあるその机は、私から見れば立派すぎるものでした。机上一面に傷を防ぐ保護用ゴムが敷いてあるのも、役立っています。
椅子は、ビロード張りのリクライニングで回転式、キャスターつきの木製です。座面の上げ下げも可能で、もしこの机と椅子がなければ、私には本を出すこともできなかったかもしれません。とても落ち着く席です。
小笠原洋子
美術エッセイスト