生活保護への切り替えでなんとか老人ホームに

70代の常田さん（仮名）は要介護1、認知症を患っている女性です。過去に離婚しており、40代の息子がひとりいます。息子さんは居酒屋のバイトで生計を成り立たせており、収入が多いとはいえません。加えて近く結婚の予定もあり、母である常田さんにお金を使う余裕がありません。

常田さんは年金が月に7万5000円程度ありますが、中度の認知症で徘徊を繰り返し、何度も警察のお世話になっていました。それに息子さんは介護に消極的で、お金に余裕もないため在宅の介護サービスも受けていませんでした。

このままひとり暮らしは無理とのことで、役所（いきいき支援センター）から私に施設探しの相談がきます。しかし月に7万5000円の年金だけで入居できる施設はなく、施設探しは難航しました。息子さんからの援助も期待できません。

そこで、老人ホームに入居と同時に生活保護に切り替えるように、役所と相談して進めていきました。常田さんは運よく生活保護OKの老人ホームに空きがあったため、生活保護に切り替えての入居が実現できました。

しかし昨今は生活保護を受けることも簡単ではなく、金銭的な問題で老人ホームに入れない現実があります。老人ホームに入るには、要介護度などの状況によりますが、最低でも月に12万円程度が必要です。

利用料の安い老人ホームは基本的に空きが少なく、要介護度が軽く月々の料金も安い施設となると、見つけるのはかなり難しいでしょう。

山村 秀炯
株式会社GoodService
代表