新NISAで株式投資をするときは、ここに注意!

◆年間で保有できるのは2〜3銘柄が限度

成長投資枠での株式投資の戦略が決まり、個別株の銘柄を選んだら商品の購入に進みたいところですが、その前に3つの注意点を確認しましょう。

1つ目は、成長投資枠の投資額の上限は年間240万円であることです。この上限額を超えた分は課税対象となってしまいます。したがって、1年間ではあまり多くの銘柄に投資することはできません。株式は通常100株単位で購入するため、1つの銘柄に投資するにはたいてい数十万円が必要となります。下図の例では、A株とB株を100株、C株を200株購入したことで投資額が計236万円となり、240万円の枠をほぼ使い切ったことになります。もちろん、銘柄によって必要となる金額は異なりますが、有名企業に投資する場合は2〜3銘柄が限度と考えましょう。

2つ目は、商品を売却した際の枠の復活は翌年になることです。年間の上限額まで投資した場合、その一部を売却しても年内は追加で投資することができません。値上がり益を狙う戦略では、銘柄の厳選や売却のタイミングの見極めなど、計画的に投資枠を使うことが求められます。

3つ目は、上限額まで投資しても配当は非課税となることです。年間の上限金額さえ超えなければ、NISAで保有する株式の配当は生涯非課税となります。高配当銘柄の長期保有には適した制度といえるでしょう。

◆株式の売買を短期間で繰り返す場合、年間240万円の上限に注意!

[図表]
【酒井FPの助言】


非課税枠とは投資(買付)できる限度額であり、保有残高の値上がりや配当の受取は非課税枠を使用しません。そのため、240万円の上限内で購入した株式が値上がりにより240万円超になっても問題ありません。

酒井 富士子
経済ジャーナリスト、FP