新NISAを活用して資産形成を行うには、投資する人の考え・事情に合わせた投資商品の選択と、人生設計に沿ったお金の使い方をすることが大切です。FPによる具体的なアドバイスを紹介します。本連載は、経済ジャーナリストでありFP資格を持つ酒井富士子氏の著書『マンガと図解でよくわかる新NISA&iDeCo&ふるさと納税[増補改訂2版]』(インプレス)より一部を抜粋・再編集したものです。
【新NISA】つみたて投資枠120万円…「積極派・やや慎重派・慎重派」タイプ別・月3万円を積み立てる場合のおすすめ組み合わせ例〈FPが助言〉
新NISA…マイホーム購入・教育資金の準備に大活躍だが、注意点アリ!
◆ギリギリまで積立を続けるのはNG
マイホーム資金や教育資金は、老後資金と並んで「人生の3大支出」と呼ばれ、まとまった金額が必要になるため、計画的に準備する必要があります。新NISAはこうした資金を準備する際にも活躍。特に、つみたて投資枠での積立が有効です。
つみたて投資枠でマイホームや教育資金を準備する際に注意したいのが、資金を引き出すタイミングです。マイホームを購入する直前、子どもが大学へ入学する直前まで積立を続けるのはおすすめできません。なぜなら、資金が必要になるタイミングと市場の下落局面が重なってしまった場合、これまで積み立ててきた投資信託の評価額が下がってしまうからです。元本割れし、目標としていた金額に届かない、といった事態になる恐れもあります。
そこで、資金が必要になるタイミングの数年前に、市場の上昇局面が訪れた時点で積み立てた資産を解約し、資金を引き出してしまうことをおすすめします。例えば教育資金であれば、子どもが15〜18歳になる間の上昇局面で解約し、運用益を確定させてしまうのです。引き出した資金は元本割れのない定期預金や個人向け国債などに預け替えるとよいでしょう。
資金の引き出し後も、積立はそのまま継続しましょう。新NISAでは引き出した分の非課税枠が翌年に復活します。一度引き出した後も再び積立を続けることが大切です。
◆非課税枠を再利用するイメージ
「マイホーム購入の頭金」「子どもの大学入学資金」として引き出した分、翌年は非課税枠が復活する(図表2参照)。
◆利用する直前まで解約しないでいると、資金が減ってしまうことも
解約のベストなタイミングを見極めることが大切(図表3参照)。
〈酒井FPの助言〉
資金を引き出した後は、その分の非課税枠が復活するので、積立はやめないで!
資金を引き出した後は、その分の非課税枠が復活するので、積立はやめないで!
酒井 富士子
経済ジャーナリスト、FP