伸び悩む給料に、急速なインフレ…。とうとう国が「投資による資産形成」を促す時代になりました。国が推奨する選択肢に「新NISA」がありますが、一体どのようなものなのでしょうか。改めておさらいします。本連載は、FP資格を保有する経済ジャーナリストの酒井富士子氏の著書『マンガと図解でよくわかる新NISA&iDeCo&ふるさと納税[増補改訂2版]』(インプレス)より一部を抜粋・再編集したものです。
国が「投資を強く推奨する」ほど、時代は変わった…国が提案する資産形成の選択肢「新NISA」ってどんなもの?【FPが助言】
新NISAの「6つのすごいところ」とは?
◆年間360万円の非課税枠で、一生涯保有OK
これまで以上に使い勝手がアップした新NISA。まずは知っておきたい6つのポイントを、図表2の①〜⑥の順に見ていきましょう。
①新NISAの非課税投資期間は一生涯(無期限)です。それによって、ライフステージに合わせて柔軟に積立投資が行えるようになりました。
②新NISAでは、制度が恒久化され、期限を気にする必要もなくなるため、好きなタイミングでいつでも口座開設できるようになりました。
③「つみたて投資枠」と「成長投資枠」を1つの口座で併用することができます。そのため、つみたて投資枠で投資信託の積立投資を行いながら、成長投資枠では株式投資にチャレンジするなど、幅広い活用方法が可能になります。
④非課税投資枠が大幅に拡大され、つみたて投資枠では年間120万円、成長投資枠では年間240万円まで非課税で投資することができるようになりました。
⑤非課税保有限度額が拡大され、生涯にわたって1800万円(うち成長投資枠は1200万円)まで非課税で投資することができるようになりました。新NISAの節税メリットをこれまで以上に享受できます。
⑥新NISAでは非課税枠の再利用ができる点も大きな特徴。商品を売却するとその分が非課税枠として復活します。
※ 本連載では、旧NISAと比較する場合は「新NISA」「新しいNISA」などと表記しています。公式ではたんに「NISA」と呼ばれていますが、わかりやすさを重視して文脈に応じて使い分けています。
酒井 富士子
経済ジャーナリスト、FP