無資格でも可能!幅広く人気な職種とは

そのほか、資格がなくても始められる職種として、ガイドやインストラクター、コーチなどの仕事があります。

通訳案内士という国家資格を取得して公式に行う通訳ガイドのような仕事もありますが、そこまでいかなくても地元の観光案内を有料ボランティアの形で行える地域もあります。とくに季節のイベントで多くの集客が見込める観光地では、ガイドのニーズは多く、毎年繰り返し発生するのも魅力です。

インストラクターやコーチは、いわば技術指導員で、自ら身につけている専門技術を初心者に教える仕事になります。ゴルフのレッスンプロのように資格が必要なものもありますが、そこまでいかない初心者向け教室は、テニス、武道などのスポーツや楽器演奏などの音楽関係も人気です。

プロを養成するような本格的なインストラクターとなると実績が必要でだれもができるわけではありませんが、実はいちばんニーズが多くマーケットが大きいのが、初心者向けの指導教室です。

こうした教室のインストラクターは、雲の上のプロよりも、むしろ自分の1歩前を歩む中級者くらいの人が教える方が親近感が感じられて人気があります。

コロナ禍で在宅ワークが急増…「手軽さ」と「健康」がキーワード

コロナ禍で在宅ワークが急増したことから、心身の不調を訴える人が増えて、手軽に始められる運動や楽器演奏などが注目されています。在宅ワークでは、オンとオフの切り替えが難しい、なかなか気分転換ができない、家族関係が密になりすぎてストレスが溜まる、といった声が多く聞かれるようになりました。

そうした中で、以前から人気のあったヨガ、マインドフルネス瞑想、太極拳、ダンス、フラダンス、ピラティスや、ランニング、ジョギング、ウォーキング、登山、キャンプなどのアウトドア活動で心身の健康増進に励む人が増えています。指導教室やコミュニティ運営という仕事は、自分が好きで得意な分野であれば、楽しみながら副業ができます。

いずれもお金や時間をなるべくかけずに手軽に始められることや1人での参加も可能なことがポイントになっています。ソロキャンプが流行しているのもそうした流れの一環でしょう。

私が趣味の活動として経験した中でも、ウクレレ初心者向けの教室は今、中高年に大人気です。ストレスの多い現代人だからこそ、今後も心身をリフレッシュしたいというニーズはますます高まるし、お金のかかる装備などが必要ない手軽な活動に人気が集まるのではないでしょうか。

健康ということでは、「食」の分野においても、白神こだま酵母手作りパン研究家の岡田友美佳氏が運営する、美味しい焼きたてパンが食べられるパン教室「ル・プチ・ボヌール」や、30分程度で3種類の美味しい料理が作れる、時短料理マイスター、ダンドリクッキング代表で、『わたしも家族も笑顔にする幸せキッチン』(自由国民社)の著者・遠藤早智氏が運営する「料理教室」も人気があります。

それぞれ、最初は副業レベルからスタートし、好きや得意を活かした独自コンセプトで立ち上げた情報ビジネスの成功例です。

大杉 潤
経営コンサルタント/ビジネス書作家/研修講師