あなたはいくら年金をもらえる?

もらえる年金の額(2023年4月時点)

・国民年金保険の加入者だった人……加入期間に応じた金額。20歳から60歳までの全期間(480月)保険料を納めた場合は年間約79万5,000円(1カ月あたり約6万6,000円)

・厚生年金保険の加入者だった人……加入期間に応じた基礎年金(国民年金部分)と、加入期間と現役時代の給与やボーナス額に応じた厚生年金。たとえば、年収240万円で40年間厚生年金に加入した場合、合計で年間約132万1,000円(1カ月あたり約11万円)

転職などで国民年金保険加入期間と厚生年金保険加入期間の両方がある人……合計した加入期間の国民年金と、厚生年金保険加入期間の厚生年金を合わせてもらうことができる

このもらえる年金の額は毎年改定されます。物価の上下によって年金も上がったり下がったりすることがあるのです。

ただし、物価と連動して年金の額が毎年必ず変わるわけではありません。そのため、今の時点で20年後、30年後の公的年金の金額を予想するのは難しいのですが、現在の年金額を目安に貯蓄額を目安として考えることはできると思います。

老後資金としていくら貯めるかを考えるときに覚えておいてほしいことがもうひとつあります。それは、公的年金が今より「減る」可能性が高いということです。

日本の公的年金制度は「世代間仕送り方式」です。現役世代が払う保険料で、高齢者の年金を給付しています。そのため、子どもの数が減れば、のちに大人になって保険料を払う現役世代の数も減ります。

高齢者はどんどん増えていくのに、現役世代の数は減っていく。そうなると年金額が減るという困った状況が生まれることがほぼ確実となっています。

もちろん、国も保険料の一部を運用して年金の原資を増やすなど、いろいろな対策を打って年金額の減少に歯止めをかけようとしています。それでも対策が追いつかず、将来、年金はもらえるけれども年金制度を維持するために年金の水準が今の高齢者よりも下がる可能性があります。

このことも頭に入れて、100歳まで生きるためのお金を貯めるにはどうすればいいかを考えていきましょう。

坂本 綾子
ファイナンシャルプランナー