Q.ティーバッグの茶葉は質が悪いものですか? 同じ銘柄のティーバッグとリーフティーの中身は同じですか?

A.ティーバッグの紅茶は品質が劣っているということはありません。異なる点は茶葉のグレード、すなわち茶葉の大きさ・サイズです。

ティーバッグといってもさまざまな種類がありますが、共通していることは、熱湯に浸せば短時間でおいしい紅茶ができるということです。ティーバッグ内のかぎられた容積に、1杯分約2gの茶葉が包まれています。茶葉のグレードは、BOPF(ブロークン・オレンジ・ペコー・ファニングス:1~2mm)やDUST(ダスト:0.5~1mm)、CTC製法の場合はPF(ペコー・ファニングス:約1mm)、PD(ペコー・ダスト:0.5mm以下)で、リーフティー製品よりこまかくなっています。

ティーバッグでは、1~2分程度で十分な濃さの紅茶成分が抽出されること、つまり、紅茶特有の味や香り、見た目に美しい紅い水色が得られるように茶葉の選定とブレンドが行われています。

同じメーカーでパッケージデザインと銘柄が同じ紅茶製品の場合ですが、ティーバッグとリーフティーで使われる紅茶の種類は、一般にほとんど同じ品質の紅茶ができるように、同じ産地の茶葉の配合を行っています。異なる点は茶葉のグレード、すなわち茶葉の大きさ・サイズです。

ティーバッグは、1分から長くて2分くらいで十分な濃さが出てくるように、こまかい茶葉を使う必要があるからです。ポットでいれるリーフティーについては、3分以上の抽出時間を推奨していることが多く、大きめのグレードの茶葉が使われています。

(左から)ティーバッグのとリーフティーの茶葉
(左から)ティーバッグのとリーフティーの茶葉

田中 哲

日本紅茶協会名誉顧問

紅茶鑑定士