「男性の閉経」とも呼ばれている男性の更年期障害。その症状は多岐に渡り、仕事のパフォーマンスに影響を与えることも少なくありません。男性更年期障害が仕事にどのような影響をおよぼすのか、また、その対策について、日本初の男性更年期障害クリニック「オトコノクリニック」を開院した中村有吾院長が解説します。
更年期障害の症状を改善するには
これらの症状に対処するためには、まず医療機関を訪れ、症状の原因を正確に把握することが重要です。テストステロン補充療法などの治療が適切である場合もあります。また、ライフスタイルの改善、特に定期的な運動、バランスの取れた食事、十分な睡眠、ストレス管理が有効となります。
職場では、タスクの優先順位をつける、短い休憩を取りながら作業する、仕事の進め方に変化をつけるなど、自分に合った働き方を見つけることも大切です。また、職場の同僚や上司に状況を説明し、理解と支援を求めることも、心理的な負担を軽減するうえで助けとなります。
男性更年期障害は、多くの男性が経験する可能性のある自然なプロセスです。症状による仕事への影響を最小限に抑えるためには、自身の体と心の変化を理解し、適切な対処を行うことが重要です。これにより、仕事の質を維持しながら、更年期を健康的に乗り越えることが可能になります。
中村 有吾
オトコノクリニック院長/なかむら産業医療コンサルティング事務所代表産業医