「男性の閉経」とも呼ばれている男性の更年期障害。その症状は多岐に渡り、仕事のパフォーマンスに影響を与えることも少なくありません。男性更年期障害が仕事にどのような影響をおよぼすのか、また、その対策について、日本初の男性更年期障害クリニック「オトコノクリニック」を開院した中村有吾院長が解説します。
男性更年期障害が仕事におよぼす影響
前述のとおり、男性更年期障害は、テストステロンという男性ホルモンの減少によって引き起こされる症状のことです。さまざまな症状を引き起こし、これが仕事へも影響することがあります。特に40代後半以降の管理職世代の方が更年期障害になりやすく、
①イライラしやすくなる
②やる気が起きない
③物忘れや集中力の低下
といった症状は、職場でのパフォーマンス低下や人間関係に悪影響をおよぼす可能性があります。
①イライラしやすくなる
テストステロンの減少は、感情のコントロールを難しくさせることがあります。これは、ストレス耐性の低下や、些細な問題に対しても過剰に反応してしまう原因となり得ます。職場では、チームメンバーや上司とのコミュニケーションにおいて、このようなイライラが摩擦や誤解を生むことがあります。特に、プレッシャーの高い環境や締め切りに追われる状況では、感情の管理がさらに困難になることも。
②やる気が起きない
男性ホルモンの減少は、一般的な意欲の低下を引き起こすことが知られています。これには、仕事へのモチベーションの低下も含まれ、タスクへの取り組みに対する意欲が湧かなかったり、仕事に対する満足感が得られにくくなったりします。この状態が続くと、パフォーマンスの低下につながり、キャリアの進展にも影響をおよぼす可能性があります。
③物忘れや集中力の低下
テストステロンの減少は、認知機能にも影響をおよぼします。これにより、物忘れが増えたり、集中力が維持できなくなったりすることがあります。仕事では、これらの症状がミスの増加や生産性の低下を引き起こす可能性があります。特に、複雑なタスクや細かい注意を要する作業を行う場合、これらの症状は大きな障害となり得ます。