世界の富裕層が東南アジアの高い経済成長率に熱視線を送っているが、なかでも資産分散の観点から「カンボジア」への関心は高い。本記事では、カンボジアが投資対象国として有効な理由を紐解くとともに、カンボジアを活用した資産防衛法について、JCI LAB CO., LTDの代表取締役ヤン・ファン氏と同社取締役・営業本部長である池英蘭氏に話を伺った。

「日本の高度成長期」と同じ状況下にあるカンボジア

2000年代に10%を超える高い経済成長率を記録したカンボジア。近年は海外直接投資が増加の一途を辿り、コロナ禍の影響が大きかった2020年を除き、プラス成長を記録している。

 

地理的にはASEAN10ヵ国のほぼ中央に位置し、大メコン経済圏を形成するタイ、ベトナム、ラオスに隣接。ASEAN地域の交通や流通における重要拠点という点も高い経済成長の一因だ。日本人にとっては世界遺産のアンコール・ワットを有する観光地としての印象が強いカンボジアだが、まずお二人には日本人にはあまり知られていないカンボジアの側面を伺った。

 

JCI LAB CO., LTD代表取締役ヤン・ファン
JCI LAB CO., LTD代表取締役ヤン・ファン

ヤン・ファン氏(以下、ヤン):カンボジアは隣国のタイと同じく経済格差の大きな国で、首都プノンペンには10万世帯近い超富裕層が生活しています。高級車の売れ行きはASEANの国々の中でもトップクラスという一面は知られていません。しかし格差が大きいからといって殺伐とした雰囲気はなく、大らかな国民性が特長のひとつです。

 

池 英蘭氏(以下、池):カンボジアは急激な経済成長を遂げている国です。国民はみな高い経済成長を経験してきているので「5年前に比べてすごく豊かになった、5年後にはもっと豊かになっているはず」という希望を抱くことができます。大らかな国民性は、そんな未来への希望から醸し出されているのかもしれません。

 

いまカンボジアは日本の高度成長期(1950年代から1970年代)と同様に、急激な経済成長を体感している。農業中心から製造業やサービス業への転換、外国からの投資と技術の導入、都市部を中心にインフラの整備が急速に進んでいる。平均年齢は約25歳と若い人口構成で労働市場も活気にあふれている。

 

ヤン:「幼い頃はゴミ拾いで生活を支えていたが、いまは高級レストランに行ける」。そんなサクセス・ストーリーを10年という短いスパンで実現した人も多くいます。このようなカンボジアへ訪れた日本の方にカンボジアの印象を聞くと、「刺激を受けた」という答えを聞くことが非常に多いですね。日本ではリスクを考え慎重に行動していたけれど、カンボジアの人々や社会の空気に触れるなかで「もっと頑張らないといけない」という意欲が湧いてくるようです。

 

カンボジアが「世界の富裕層」から注目される理由

カンボジアの経済成長の立役者となったのは1990年代末から約40年間に渡り首相を務めたフン・セン氏。内戦の混乱を収め、復興から発展に繋げた揺るぎない実績をもっている。2023年に首相を辞任したが、長男であるフン・マネット氏がその座を引き継いだため、同様の政治路線が敷かれることは明確だ。

 

JCI LAB CO., LTD取締役・営業本部長 池英蘭
JCI LAB CO., LTD取締役・営業本部長 池英蘭

池:カンボジアは東南アジアのなかでも政情が安定している国のひとつです。フン・セン首相はインフラ整備や経済成長に尽力した政治家なので、国内での支持率は非常に高く、諸外国に対しても全方位外交を標榜した結果良好な関係を維持してきました。海外への投資を考える際に大きな懸念のひとつであるカントリーリスクが非常に低い国だといえるでしょう。

 

ヤン:カンボジアを投資対象国としてみた場合、為替リスクが抑制できることにも注目です。カンボジアは東南アジアの中で唯一、米ドルが流通している国です。海外から訪れた人が利用するホテルやレストランはもちろん、屋台やマーケットでも米ドルが使えます。日本にいながらカンボジアの金融機関に口座を開くことも可能です。

 

基軸通貨である米ドルをポートフォリオに取り入れ通貨リスクと為替リスクを同時に抑えることは、いまや資産防衛の基本。そのようななか、非居住者でも口座開設できるメリットは大きい。

 

ヤン:カンボジアでは、法整備はこれからという段階です。そのため海外への送金時には銀行へ届け出をすること以外に規制がないなど、外為取引について非常に自由です。これは投資家において大きなメリットです。

 

池:税金の種類が少ないことも投資においては有利です。たとえばカンボジアで不動産に投資する際、投資家が気にすべきなのは所得税や固定資産税程度です。日本のように贈与税や相続税はありません。カンボジアでの投資活動は非常にラクといえるでしょう。

 

日本とカンボジアを繋ぐ「JCI LAB」

「Japan Cambodia Innovation Lab」の略称であるJCI Lab。2023年、「日本とカンボジアにイノベーションを創造する場」という理念で設立された。企業向けには市場調査や取引先開拓、個人移住者向けのビザ申請をはじめ、銀行口座開設・住居サポートや、カンボジアへ安心して進出・移住できるようなサポート、不動産仲介などを行う。さらに、日本とカンボジアの文化や教育、経済などの交流を促進するイベントや専門家を招いたセミナー、パネルディスカッションなども開催。二国間の共通の目標を支え、各取引先と共に成長する伴走者としてベストを目指す。

 

池:カンボジアの現状を把握している社員が物件の購入から売却までをトータルサポートしています。社内にカンボジア人をはじめ、中国やシンガポール、そして日本人のスタッフも在籍し、グローバルな視点と正しい情報を元にしたお客様サポートを提供しています。

 

カンボジアについて高い専門性を有するJCI LABには、同国への進出を模索する日本企業からの相談や問い合わせが数多く寄せられた。そこで新たに創業したのがJCI LABである。

 

ヤン:「日本とカンボジアの架け橋」として、カンボジアへの進出や、カンボジアと日本での輸出入のサポート、カンボジア文化の紹介イベントの主催など、さまざまなサービスを展開しています。

 

同社は2023年11月、イオン株式会社と手を組み、首都プノンペンの「イオンモール・センソックシティ」で大規模なイベント「KAWAII-CON」を3日間に渡り開催した。生け花や着物、コスプレやアイドルグループなど多彩な日本文化を紹介したほか、日本商品の展示ブースを多数設置。スポンサーとして参画した企業は約40社、来場者数は7,000名以上と盛況を収めた。その後、イオンモール・ミエン・チェイに「KAWAII-CON」の常設ショールームを設置。こちらは日本商品のテストマーケティングの場として機能し、カンボジア進出の第一歩としてサービスを提供している。

 

ヤン:少額から出資可能なビジネスチャンスを日本企業に提供することでカンボジア進出やその検討機会を提供できたと思います。カンボジアに関するご相談であれば、まずは気軽にご相談ください。

 

JCI Labは、日本とカンボジアでイノベーションを生み出す場だ。企業には市場調査や取引先開拓、個人にはビザ申請や住居サポートを提供、さらに、両国の文化や経済の交流を促進するイベントも開催し、その後のテストマーケティングのサポートも行っている。強固なポートフォリオを構築しようとする投資家や、カンボジアでのビジネスを考えている経営者にとって、JCI LABは心強いパートナーとなってくれるに違いない。