誰にとっても身近で興味がある「カネ」が題材のマンガ『闇金ウシジマくん』作者の真鍋昌平さんと作家で元外交官の佐藤優さんが「これまでに貸したカネの話」で盛り上がりました。本稿では、佐藤さんの著書『天才たちのインテリジェンス』(ポプラ社)から一部抜粋して、佐藤さんと真鍋さんの対談をお届けします。
「生活費は全部消費者金融で借りて漫画に専念して新人賞を受賞」
真鍋:自分もデビュー前の20代半ばに一念発起して、バイトを一切やめてマンガに専念した時期があります。
佐藤さんのように面倒見てくれる人はいなかったので、そのときの生活費は全部、消費者金融で借りました。
そのときに3ヵ月くらい全力で描いた作品が『月刊アフタヌーン』という漫画雑誌の新人賞で大賞を獲れて、100万円くらいの賞金と原稿料で全額返済できてよかったんですけど。もし賞金が入らなかったら、借金だけが残る状況でした。
佐藤:思い切りましたね。本当に実力のある人にしかできない。
真鍋:基本的にある程度のリスクは取るほうです。今より面白いことがしたいと思ったら絶対にリスクはつきものじゃないですか。
人間関係も同じで、ある程度踏み込んで付き合わなければ仲良くなれないし、深い話も聞けない。もちろん、自分が全然楽しいと思えない面倒事は避けますが。カネもリスクも良い悪いはなく、捉え方、付き合い方次第なのかなと思いますね。