インデックス投資をする人の間で高い人気を誇る株式指数「S&P500」。しかし、投資研究家の児玉一希氏は、「S&P500にも危険な側面がある」といいます。児玉氏の著書『株式投資2年生の教科書』より、詳しく見ていきましょう。
「為替変動」の影響を大きく受ける側面も
S&P500に投資する際のドル円レートも無視することはできません。
例えば2007年6月にS&P500指数を1単位買っていたとしましょう。当時のドル円レートは6月末時点で1ドル123円、S&P500は約1,500ポイントでした。日本円にすると123×1,500=18万4,500円です。
ところが、リーマンショックの後2009年の3月まで大暴落。S&P500は約700ポイント、さらにドルも1ドル97円にまで下がりました。この時の評価額は6万7,900円。2007年6月から下落率にして63%、11万円以上の損失です。
もちろん積立投資であれば、株価とドル円が同時に下落する相場においても淡々と積み立てることが鉄則です。相場環境にいちいち振り回されてはいけませんし、停滞する時期が長いほどその間の安値で積み立てられる金額も大きくなります。安値でたくさん買っている分、相場が再び回復した時は大きく恩恵を受けられるでしょう。
しかし、株価が以前の高値を取り戻すまでには数年単位、下手したら10年近く時間がかかります。
ドル円チャートにおいても長期で見れば75〜150円を上下に推移していますが、円高(損)に振れた為替レートが円安(プラス)に振れるまでには10年単位で時間がかかります。米国株だけでなく日本株においても、その時投資しようとしている株が属する国の通貨の強弱も見ないといけません。
児玉 一希
株式会社RES
代表取締役